飴色と黒色1 ページ17
【萩本side】
萩本「お先に失礼します」
黒子「お疲れ様でした」
私と桜太、黒子君の3人で帰り道を歩いている
黒子「あの…中1の時は僕、三軍だったので詳しくは知らないんですけど…“花宮さんが最初にラフプレーをしたのは山吹先輩が相手だった時”…なんですよね…？」
黒子君が、申し訳なさそうに聞いてきた
私達の先輩だからだろう
萩本「…うん、そうなの。中1の時の全中決勝戦。霞ヶ丘VS帝光戦で、初めてラフプレーをした。どうしてそんな行為に走ったのかはよくわからないけど、それ以来花宮先輩には“悪童”という異名がついた。それまでは…普通だったのに」
何か…花宮先輩を変える何かきっかけがあったのは確かだ
あの日から舌打ちが増えていたから
暫く歩くと、私の家が見えてくる
萩本「じゃあね、黒子君、桜太。ちゃんと休んでね？」
黒子「はい、また明日」
飴宮「じゃあね」
【飴宮side】
水樹が帰って、黒子と二人になった
少し沈黙が訪れた後、黒子は口を開いた
黒子「これはただの推測なんですけど…藍川さんはもしかして、花宮さんに目を覚ましてもらいたかったのかもしれないですね」
飴宮「…」
黒子「僕達…いや、水樹さんや飴宮君と戦うことで、ラフプレーをしていなかった時のことを思い出してもらうつもりだったんじゃないでしょうか」
飴宮「…そうだよ」
黒子「っえ」
黒子は拍子抜けしたような表情になった
そっちが聞いてきたんじゃん
飴宮「藍川さんは、ずっと疑問を感じてたんだ。花宮先輩にも…“山吹先輩にも”」
黒子「“山吹先輩にも”…？…もしかして飴宮君は、花宮さんがラフプレーをした理由を知ってるんですか？」
飴宮「…ああ。花宮先輩が“ラフプレーをした理由”も、“ラフプレーをやめなかった理由”も…“天光の師表に危害を加えなかった理由”も…」
全部知っていて…何も行動できなかった
これは俺や花宮先輩だけの問題じゃないからだ
黒子「…何故、水樹さんには教えないんですか…？」
飴宮「…“理由が水樹にあるから”だ」
黒子「え…？何か…したんですか…？」
飴宮「いや、水樹は何も悪くない。何もしていない。
…ただ花宮先輩は
.
.
.
.
“
黒子「？？？」
だから俺は…少なからず花宮先輩を尊敬していたし、敵だとは思っていないんだ
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作者名：湊 | 作成日時：2020年8月1日 19時
