し（あわせ）に（なり）たい【北信介】 (ページ6)

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４話ページ6

Aside

私は自分が生きていることに意味を感じられなかったんだ。

家族にも、トモダチにも、私の身の周りの人間は皆

『AA』

という人間の外ズラばかり見て内側を知ろうとも、理解しようともしなかった。

悲しかったし辛かった。

私の周りには手を差し伸べてくれる人なんていなかった。

一人、オレンジ色の彼を除いて。

確かに彼は私を見てくれていた。

優しかったし何度も助けられた。

でも結局のところ私は辛くても悲しくても、笑顔でいなければならない。

だってこれからもずっと頼るわけにはいかないでしょ？

優秀でいなければならない。

怒ってはならない。

たとえ怒りに体が沸騰しそうになったとしても、顔に出してはならない。

怒るな、泣くな、耐えろ。我慢だ我慢。

いつか自由になれるその日まで。

笑顔を振りまけ。

嫌な顔一つしない優秀ちゃん、それこそがワタシであり皆の求める

『AA』

なのだから。でもそんな毎日に私は

　あぁ～、、

　わたしってなんでこんなに頑張ってるんだろ、、

　疲れちゃったなぁ、、

そう、思ってしまった。

だからﾀﾋのうとしていたのに…なんでよ…

もう疲れちゃったの。だからその手を離してよ。

私は私なのに。

嘘ばっかりつくことに。

無駄に自分を偽ることに。