第 3 話 ページ5
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「……く………くん…………大地くん!!」
「!」
耳元で名前を叫ばれ、飛び起きる。
「も〜、やっと起きたなぁ〜?」
「……今、泉?」
中学の時の教室、クラスメイト、二〇〇九年十二月のカレンダー、そして
「そうだけど…?」
死んだ筈の今泉がいる。
手は暖かくて、ふわりと香る匂いも
あの時のまま。
「……え、ちょっと大丈夫!?」
自然と涙が頬を伝う。
今泉はかなり戸惑ったように手を彷徨わせている。
周りの奴らも今泉と俺の様子にちょっとずつ集まってくる。
「大丈夫か澤村〜」
「どした」
__何なんだ。
俺が昨日願ったから過去に戻れた?
それとも只の夢?
戻ってたとして菅原たちは?春高は?
元の世界での俺は?
頭が混乱して、その代償かどんだけ拭っても涙が出てくる。
「っ悪い…っ止まらねぇっ……」
「川上呼んできた方がいいんじゃね?」
「ウチ呼んでくるわ〜」
皆のそんな声が聞こえ、申し訳なく思う。
すると突然目元にハンカチのようなものが押し当てられる。
「大地くん、ほんとに大丈夫…?」
__誰かが俺に言う。
今度はちゃんと助けて、と。
第3話▪君が。
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夏(プロフ) - コメントありがとうございます👌めっちゃ掛け持ちしてるので更新が遅くてすみません。早めに更新出来るように頑張ります! (2023年5月12日 18時) (レス) id: c735372d58 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - めっちゃ好きです、、続きが気になる( ; ; ) (2023年5月12日 7時) (レス) @page8 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏 | 作成日時:2023年2月27日 8時