第 17 話 ページ19
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「……贄……？」
「そう。何か清水さんの大事な物をくれれば過去に戻してあげる。」
菅原はいつもの爽やかな笑顔を向ける。だけど今日その笑顔がとても怖く見えた。
贄、何か大事な物。
「……これ？」
菅原は少し戸惑ったような声を出した。私がポケットから取り出したのは端から見ればただの色つきリップ。だけど私からすればとても大事な物だった。
「Aが使ってた物なんだ。本当に辛い時はこれを使うの。」
「……いいよ。じゃあ楽しみにしててね。」
その日の夜。いつも通り眠りにつき目が覚めたら十二月十日の朝だった。戻れた、と歓喜した。これでAを助けられる、Aと高校生活を送れる。
だけど、何をしてもAは死んだ。
警察に言っても、その日私の家に泊まらせても、事前に犯人が逮捕されても、何をしても死んだ、殺された。
今考えると相当イカれていたんだと思う。Aが殺される辛さ、救えない辛さ、この世界の原理に。
「Aが顔も知らない男に殺されるくらいなら、私が殺す……！！！！」
「………え……？」
包丁でお腹を刺した。想像以上に柔らかくて深く刺してしまったけど、でも、苦しんで苦しんで死ぬよりずっと良いよね。きっとAは赦してくれるよね。血がべっとり付いたお腹に手を当てる。
「大好きだよ。」
第17話▪愛の重さ
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夏(プロフ) - コメントありがとうございます👌めっちゃ掛け持ちしてるので更新が遅くてすみません。早めに更新出来るように頑張ります！ (2023年5月12日 18時) (
レス) id: c735372d58 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - めっちゃ好きです、、続きが気になる（ ; ; ） (2023年5月12日 7時) (レス) @page8 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2023年2月27日 8時
