第 13 話 ページ15
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清水が走り去っていった方向を眺める。
三秒程経ちボーッとしてる場合じゃない、と清水を追いかけた。直ぐ追いかけたらバレるだろうから、曲がり角を曲がったタイミングで曲がり角まで走り、見えなくなったら走り、を繰り返しとある店の前に辿り着く。
その店は二ヶ月程前に潰れ今は何の店も入っていない。俺は階段を一階一階確かめながら上がった。
「ーー」
「ーー」
屋上。
清水は屋上で誰かと話している。相手は多分今泉だろう。
扉をゆっくり開けた。バレるかと思ったが、運良く扉は引くタイプで二人は扉の死角にいた。
「…今回もだめだったね。」
「っまだ、終わりじゃない…!直ぐ解決策見つける…!」
「私もうあの痛み味わいたくないな〜…。潔子。」
切羽詰まった清水の声にいつもみたいに話す…今泉。話が読めず少し戸惑うが後には引けない、何も知らず家に帰ることはできない。
俺は出来るだけ二人に近づき少し覗きながらまた聞き耳をたてる。
「また潔子の手で殺してよ。」
「…私はAに生きて、ほしくて」
「…潔子が言い出したことだよ、忘れちゃった?」
今泉は清水の手にある包丁ごと自身の胸元に持っていき呟いた。
「『Aが顔も知らない男に殺されるくらいなら私が殺す』だっけ。」
第13話▪狂愛
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夏(プロフ) - コメントありがとうございます👌めっちゃ掛け持ちしてるので更新が遅くてすみません。早めに更新出来るように頑張ります! (2023年5月12日 18時) (レス) id: c735372d58 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - めっちゃ好きです、、続きが気になる( ; ; ) (2023年5月12日 7時) (レス) @page8 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏 | 作成日時:2023年2月27日 8時