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ノックされた扉が開き、人が入ってきた。
金髪、黒髪、茶髪。
総統、書記長、外交官。
…あれ、話と違う。
ゾムと2人して目が点になっていると、トントン様は話し始めた。
「すまんなAさん、ゾムさん。
ほんまはエミさんに同伴してもらう予定やったんやけど、オスマンがどうしても来たい言うから連れて来させてもらいました」
「あ、はい。大丈夫です」
3人は向かいにあるふわふわのソファーに座り、グルッペン様が話し始めた。
「まずは謝ろう。特に何の説明も無く連れてきてしまってすまない。
ゾムは元々連れてくるのが決まっていたし、まあそこまでは良いんだが。
Aさんは本当に何も聞いていなかっただろう」
「全部グルさんのせいですけどねぇ」
「…んんっ。まあともかく、Aさんを此処に連れてきた理由について話そう」
そう総統様は前置きをして、私の人生について語り始めたのだ。
「Aさん。貴女は生まれついた時から殺しの才能に恵まれていたんだ。
小さい頃のことを覚えているか？…まあ、覚えていないだろうが」
何もかもを知っているが如く、総統は話す。
「…は？どういうことだよ」
「まあそう焦るな。
端的に言うと、君は故意的に記憶を消されたのだよ」
「んで、その記憶を思い出させようとしとるんがこのグルッペンや」
書記長は呆れたように言った。
「…故意的に記憶を消した？どゆことや、それ」
ゾムは訝しげに言った。
「ゾムも聞いたことがあるはずだ、14年前の悲劇を。
…Ω国黄金比殺人」
「ああ、勉強したで。確かまだ小さい子供が一国を滅ぼしたっていう伝説やろ。
流石に子供がっちゅーのは嘘やろうけど」
「いいや、嘘じゃない。
…A、君がこの悲劇の首謀者なのだよ」
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作者名：天の河 x他1人 | 作成日時：2021年8月2日 18時
