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「店長?」

久しぶりにお湯に当たったからか、逆上せるのが早くてびっくりしてしまった。
暖かい色のランプが照らす廊下を歩き、未だカウンターに座っているであろう店長の所へ行く。

「…で、………の」
「誰か居るで」

きっとお客さんだろう。今出て行っても迷惑がかかる。

「今行くのはやめとこう」

ゾムの手を引き離れようとする。
その時、店長の声が聞こえた。

「Aさん、ゾムさん。来て結構ですよ」
「…え?あ、はい…」

ゾムと手を繋いだまま、店内に入る。

「Aさん、貴女を探していたらしい」
「はぁ…こんにちは」
「こんにちは」

アベルさんは優しく微笑んだ。
目に映ったのは、色素の薄い髪を揺らし、目を細めて笑っている男性だった。

「こんにちは。挨拶が出来て偉いですね。
私はエーミールと申します」
「私はAです。えと、探していたっていうのは…」
「アベルから時々話を聞いていて、会ってみたいと思ったのです。
あ、私はアベルの弟で」
「アベルさんの…弟?え、アベルさん弟いらっしゃったんですね」
「まあ、言う必要も無いでしょう?」

アベルさんはいつも通り、少々棘のある喋り方をする。
でも確かに、物腰柔らかそうな雰囲気は似ている。
でも、アベルさんは落ち着いていて少し薄い茶色の髪に茶色の瞳。
エーミールさんは色素が完全に抜けている髪と瞳をしている。

「それで本題なんですが。
Aさんとゾムさん。お二方を軍で保護したいのです」

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作者名:天の河 x他1人 | 作成日時:2021年8月2日 18時

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