・ ページ18
.
ソフォニスバの自室───
「ふぇ゛ぇぇ゛ぇ…ぐすっ……ど、どうし゛ようぅ…嘘って言えなかった゛ぁ゛…」
そんなソフォニスバは1人自室で泣いていた。脳内でハンニバルが『あーあ』と呆れ返ったり、溜息をつき始める。ズビズビと鼻を鳴らしては枕に顔を埋めて泣きじゃくるソフォニスバを脳内のハンニバルは傍観することしか出来なかった。
『すぐに嘘って言えば良かったのに』
「そ゛う゛し゛た゛か゛っ゛た゛け゛と゛て゛き゛な゛か゛っ゛た゛ん゛た゛も゛ん゛…！！！」
濁点まみれの言葉にハンニバルは手遅れを知った。鏡を見れば分かる程に赤く目元が腫れ上がっているのに、お生憎様そういう物は手元に無かった。くぐもった声と鼻詰まり。ほぼ見るに堪えない様な姿になったソフォニスバに、ハンニバルは半ば諦めを持ったような声で提案したのだ。
それは何時もの二人の間で行うまじないの様なものだ。辛いことがあったらハンニバルが肩代わりになる。それをする事でソフォニスバもソフォニスバらしく、いられた。至って普通のまじないだ。
『あー、お前にとっては辛いんだろ？なら代われ。お前の辛さはオレが代わってやる』
「…ｽﾞﾋﾞｯ、辛いぃ……お願い…………」
───────
「皆、ワタシの部屋に来て」と言うソフォニスバの言葉通りに皆が部屋の前に来ていた。そしてソフォニスバの部屋の扉が開かれるとそこに居たのはソフォニスバの別人格のハンニバルだった。いつもの三つ編みは無く、髪を下ろしていたのだ。その姿に慣れるくらいには、きょうだい間の間では一部となってしまっていた
「ハンニバルさん？」
『ん？あぁ……』
「ハンニバルさん目頭赤くない？」
そうエレナに指摘されたが、ソフォニスバ…もといハンニバルは素知らぬ顔で話を続けた。
『アイツがちょっと。まぁいい…今日は何の日でしょーか』
と、ハンニバルが問うと下の子達は皆考えた。すると真っ先に口を開いたのは末弟のアスドルバーレだった。
「エイプリルフール…？」
『そ。お前ら部屋入れ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜宵ノ良(プロフ) - TENNさん» はい！大丈夫です。こちらも記載させていただきますね。関係組のお誘いありがとうございました！ (8月14日 13時) (
レス) id: 271a44bab7 (このIDを非表示/違反報告)
TENN - 夜宵ノ良さん» 大丈夫ですよ。関係組誠に有り難う御座いました。他に補足等無いのでしたらCS記載の方に移りたいと思いますが宜しいでしょうか？ (8月14日 13時) (レス) id: 62190880e4 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵ノ良(プロフ) - TENNさん» 分かりました、ではこちらは「ルカくん」とお呼びしてもいいでしょうか？ (8月14日 13時) (レス) id: 271a44bab7 (このIDを非表示/違反報告)
TENN - 夜宵ノ良さん» 有り難う御座います。ルカからは「ソラ」と呼ばせて頂きたく思っております。ソフォニスバちゃんは如何なさいますでしょうか？ (8月14日 13時) (レス) id: 62190880e4 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵ノ良(プロフ) - TENNさん» こちらからは以上です！解釈違い等もございません。呼び方はどうされますか？ (8月14日 12時) (レス) id: 271a44bab7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
