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ある程度人参が切り終わったので、キャベツを取りに1回町内会館へ戻る
「うわ、結構な量だな…」
キャベツがぎっしり入ったダンボールが2つ
意外と重たいキャベツをどうしようかと悩んだけど、お祭りまでそんなに時間がないから一気に持っていくことにした
.
「よいしょ、」
なんとか持ち上げたはいいものの、問題は階段
会館の階段は意外と狭いから下を見ながらゆっくり進む
「…あっ!」
その時、階段を1段踏み外して視界がぐらりと歪む
もうダメだ、とぎゅっと目をつぶる
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.
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想像していた痛みはなくて
「っと、あぶねぇ」
代わりに人の声
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声の主を見上げると
「大丈夫か?翔くん」
智くんの顔が間近にあった
.
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智くんが支えてくれたお陰で、俺は階段から落ちなかったし、キャベツも無事だった
「…ありがとう」
それは良いけど、なんせ、夏休みに入ってから話すのは初めてで、ぎこちなくなってしまう
…こんなこと今まで無かったな
自分で蒔いた種なのに、ほんの少しだけ、寂しく感じた
「翔くんは相変わらず白いね」
「…智くんは少し焼けたね」
相手が一言話すと、こちらも一言
ポツリポツリとした会話になってしまうから、なんとか続くように返事をした
「翔くんは何の手伝いしてんの?」
「今年は焼きそば屋さん」
「…翔くん料理できたっけ」
「うん、最近少しずつするようになったんだよ」
キャベツを屋台まで運び終わって、また包丁を握る
「…もう、そんなにじっと見ないでよ」
「だってよぉ、心配で心配で。翔くん不器用だから」
あまりにも俺がキャベツを切るのを固唾を飲んで見守るから、その顔が可笑しくて
「ふふっ。大丈夫だから」
自然と笑顔が零れた
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秋(プロフ) - awxぺぷちんさん» ありがとうございます!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年2月3日 22時) (レス) id: c2d3d8d027 (このIDを非表示/違反報告)
awxぺぷちん(プロフ) - 待ってましたー おぉっ!山夫婦はクラスバラバラ状態ですか、これはこれからの展開が面白くなりそうですね! (2019年1月27日 9時) (レス) id: 3bb69d1c12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋 | 作成日時:2019年1月21日 0時