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修の着替えとか諸々を取りに帰った時
…なんというか、
自分でもちょっとは大丈夫なんじゃないかって自負してた
にののお陰でちょっとは記憶から、意識から遠のいてるんじゃないかって。
…そんなはずないのに
.
見てしまった。
智くんの家に、例の彼女が入っていく所を
.
動悸が治まらなくて
家は斜め向かいだから大きな音を立てると気づかれるって分かっていたけど
ガタガタと崩れ込むように玄関に入った
こんな時間に家に行くなんて、そんなの目的はひとつしかなくて
こんな時に高校生の考えしか持てない自分が嫌になるけど
でもきっとそれは間違ってはいなくて
「…諦められてると思ったのに、」
それは嘘で
…諦めるなんて端から出来ない決意をした覚えはなかった
動きたくても動かない脚
あんまり遅いとまたにのに心配されちゃうって分かっていてもしばらくは動けない
.
それから家を出たのは10時をとっくに過ぎた頃だった
.
.
.
「んん、」
夏特有の強い日差しで目が覚めた
昨日のことが夢に出てきたのだろうか、
朝から少し嫌な気分がした
起き上がると、昨日の記憶とは違う景色
隣にはにの、…じゃなくて修
「…運んでくれたのか」
あのほっそい腕のどこに力があるのか、毎度不思議に思う
「んぅ、」
もそもそ動いていたからか、隣の修が起きたみたいで
「…しょうにいちゃ、?おはよ、」
「おはよう、修」
「…にいちゃ、だっこ」
まだ小さい手で抱っこをせがんだ
「ん、よいしょ」
朝まだ目が覚めてない修はよく甘える
それはそれはかなり嬉しい
「あ、翔ちゃん、修、おはよ」
ガチャっと、寝室のドアが開いてにのが顔を出す
「おはよ。…昨日ごめんね、」
部屋まで運んでくれて、の意味も含めてにのを見遣る
「あぁ、いいですよ。そのくらい」
にのはまた優しい笑顔で俺の腕の中にいる修の頭を撫でる
と、修が俺とにのをクンクン交互に嗅ぎ出して
「しょうにいちゃんとにの、おんなじにおいする〜」
純真無垢な爆弾を落としていった
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秋(プロフ) - awxぺぷちんさん» ありがとうございます!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年2月3日 22時) (レス) id: c2d3d8d027 (このIDを非表示/違反報告)
awxぺぷちん(プロフ) - 待ってましたー おぉっ!山夫婦はクラスバラバラ状態ですか、これはこれからの展開が面白くなりそうですね! (2019年1月27日 9時) (レス) id: 3bb69d1c12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋 | 作成日時:2019年1月21日 0時