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…………まぁ、私がどれだけ可愛くなっても、信ちゃんは見向きもしないんだろうけど。
私、見ちゃったんだ。
横子先輩と仲良さげに歩いてるとこ。
横子先輩はプックリした唇が印象的な、優しい先輩。
ちなみに、横子先輩の唇は低反発枕の感触と同じらしい。
夏「ちょっとA？…聞いてる？」
私の顔を覗き込んでいるのは、親友の夏樹。
夏樹とは小学生から一緒。
夏「1限から英語のテストだよっ！」
「………マジか、」
夏「アンタ、今の間、
『信ちゃんの苦手な教科だぁ』
………とか考えてたでしょ」
「う、当たり。」
夏樹は私の恋心を知っている。
夏「Aもよく飽きないよねー」
「私、一途なピュア女子なんで！」
夏「自分で言うとか、イタいんだけど
つかさー、横子先輩って好きな人いるらしいよ」
あー、うん。
横子先輩の好きな人は、信ちゃんですー。
で、その信ちゃんもたぶん横子先輩が好きなんですー。
はい、失恋、確定！
夏「おーくら、らしいよ。」
「は、ぇ…！？」
目を白黒させて、
驚く私を無視して話を続ける、夏樹。
夏「おーくらなんて、倍率高すぎだよねー」
うん、まだ失恋したと確定したわけでは無いようです。
……あ、でもさ、
横子先輩が信ちゃんのこと、好きじゃなくても、
信ちゃんは横子先輩が好きってこともあるよね……………
うん、そっちの方が確率高いわ。
よっしゃ、これから私、
信ちゃんに何かを望むのはやめます。
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