18話〜また病院だ。 ページ21
次に目が覚めたのは、
どのくらい経ってからだろう。
ここは、病院かな……？
私の幸せが消えた時と焦凍の幸せが消えた時
病院だったなぁ。
独特の匂いが鼻腔を擽る。
左目は見えるが
右目が目えない。
貴「何も、見えない。」
包帯でも巻かれているんだろうか。
視界に何も入ってこない。
ああそっか。私、母さんに沸騰したお湯かけられた。熱い熱い沸騰仕立ての水。
咄嗟に目は瞑ったけど、何か後遺症とかないといいな
私の右目が憎いか……
�鏑�
ｶﾞﾁｬ
静かな病室に音が響く。
医者「闇暗さん？起きてますかね??」
なんだ医者か……
貴「はい、いまさっき起きました。」
医者「よかった。何か異常はあるかな？」
貴「特には…ないです。あの、右目はどうなったんですか？」
医者「右目ね。幸い眼球にはかかってなかったから、皮膚の火傷で済んだんだ。目は包帯が外れればまた見えるようになるからね！右目だったし温度も高かったから、火傷跡は残ると思うが」
別に火傷を気にするようなタイプでもないから、
心配しなくてもいいのに。
貴「それと……右目を隠せるような眼帯をください」
何故かと言うと右目は父さんと似てるって母さんが…
医者「……わかった。後で退院する時に持って来よう。」
医者「それとお父さんにはさっき説明したから、もう帰ったよ。一つ聞きたいことがあるんだ…検査してる時、君の身体には幾つもの傷や痣があった。しかも服の下や包帯の傷。それに今回だってそう。目に熱湯がかかるなんて余りない。しかもあの量を一度に。
君、家で何かあるの？」
話すか？それとも黙っているか？
話したところで何になる？
この医者が助けてくれるとでも？
無理だな。ヒーローでさえ私を見捨てた。
貴「いえ、たまたまです。最近、友達と遊ぶのが楽しくて、怪我が増えてしまい、気を付けますね。」
医者「そうか。気を付けるんだよ。退院は明日になるから、今日は休んでね。」
そう言って出た医者の背中は、どこか寂しげだった。嘘だとバレたか？バレようがバレまいが。
警察やヒーローに言ったって。意味無い。
もう諦めてるんだ。
無駄に足掻いて抵抗することも助けを求めることも。大人しく、ただ父さんの人形になっていれば
父も手出しはしてこない。母さんにも手を出さない。
なのに、あそこまで母さんは追い詰められていた。
挙句の果てには、私が死 ねばいいって。
何が悪かったのかな??
私の存在は良くなかった……
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作者名：cohaharu32 | 作成日時：2020年12月25日 3時
