わんだふぉな日々

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「ひゃー、太輔、すっごいね。
見てるこっちがはっずいわ。」
両眉上げて半笑いしながら見てる渉の横で、
ぐるぐる考えながら最後のシーンを待つ。

渉…どう思うかな？嫉妬…とかしてくれるかな？ってそんなわけないか。どうせ笑われるだけか。いやでも、もしかしたら…ないない…いやでも…。
一人脳内会議でテンパってる間に
問題のマサとの…キスシーンが映し出される。

チラリと渉を盗み見れば、
口をあんぐりあけて驚いた顔の後、
前かがみになり怒ったような顔をして綺麗な手で口元を覆う。

ドラマが終わっても、無言のまま。
予想外の反応で、気まずい。
声をかけようとすると、
背筋をのばし腕を組みながらクルッと
隣に座る俺に向き直って
「太輔。」
と低めなトーンで呼ばれてビクッとしてしまう。

「な、なに？」
「ダメ。」きゅーっと眉間に力が入ってる。
「え？」
「こんなん、ダメだ！」真剣な、眼差し。
「え！？」
うそ！まさかの、まさか、嫉妬してくれてる！？

喜んでいると
「おりぇが見本見せる！横になって！」
と床を指差してくる。

へ？み？みみみ、見本んんーっ！？！？ええぇええぇぇ！？

パニくってきょときょしてる俺のことは意に介さず、
「ほら、太輔、死んだフリ、死んだフリ！」と急かすので、
心臓ばくばくしながらソファ前の床に横たわり目を瞑る。

動く気配がして、おそらく正座した渉の手が
俺の顎に添えられたかと思うとクイッと上げられる。
ア…アゴクイ。もう、心臓止まる！！

耳元に渉の顔が近づいてきたのが
吐息が当たることでわかった。
あ、だめだ、もう死ぬ。キュン死にする…！
と思った瞬間、耳元で叫ばれる。


「大丈夫ですか！？聞こえますか！？」


！？耳、痛ったっ！
驚きのほうで心臓が止まりそうになって
固まっていると、
「意識なぁし！呼吸なぁし！気道確保ぉお！」と言うや、
鼻を摘まれ、グイっと渉の口唇が押し当てられ、フーフーと息を吹き込まれる。

「！？ぐほ！うえ！わ、わた。な、なにす、うえへ！」咳き込みながら起き上がると、

「こりぇが、本当の人工呼吸！
あんなんじゃ人命救助はできにゃい！」
渉が甘噛みしながら、○○とドヤ顔。

「わた！ひどすぎっ、えほっ…」
涙目で抗議してもどこ吹く風で
「さぁ〜て、フレンチトォーストつくるべっ。」と笑いながらキッチンへスタスタ歩いていってしまう。

くそぉ…もうほんと意味不明。
せっかく唇同士がくっついても
これじゃムードも何もない！

-3→←やきもちやけた

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