わんだふぉな日々

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そして…――――――――

「太輔？何してんの？お茶、入れたよ？」

…ハッ！！トリップしてた。
妄想の世界にダイブして、
リビングのカーペットの上で
クッションを抱きしめて
無意識にゴロゴロ床で転がっていた…

「コホン…いや…なんでもない。お茶ありがと。」
咳払いをしてソファに座り、お茶を受け取りすする。

俺の不審な行動を訝しがりながらも、
俺の隣に座り渉もお茶をすする。

「しっかし、よくできてんねぇー、その耳。」と
渉が耳に手をのばしてくる。
本当の耳ではないのに
なぜかくすぐったいような気がしてくるから不思議だ。

「よし。太輔！俺の前に座って？」
「はい？」
「ほら、ここ！床んとこ。」
「？」
意味がわからず言われるままに
ストンと床に腰をおろす。

渉は、オオカミの耳や髪の毛のつながりの部分を
まじまじと観察し、
「すげぇ…」と小声で囁きながら
ひっぱったりなでたりしてくる。

すると突然、
「太輔さん。太輔さんの耳は
ずいぶんとカワイイのね？」と
妄想と同じ言葉が渉の口から飛び出す。

ドキッとして「え？」と返すと
「ほら？赤ずきんちゃんって、
こんなやり取りするだろ？たしか。」
「う、うん…」全身に力が入る。

「太輔さん。太輔さんの耳は
ずいぶんとカワイイのね？」と
もう一度、聞いてくる。
ま…まさか…ももも妄想が現実に！？

「そ、そうとも。
渉にほめてもらうためにね…」
震えそうになる声を必死に隠して、
妄想と同じように答える。

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