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うわ…やっちゃった…
急いで口を両手でふさぐ。
そのまま口に手をあてて
眉を八の字にして困ってると、
座ったままチラッと目線だけを送ってきた渉が
眉間を寄せて苦笑いする。

「なんて顔してんのよ?」
「ごめ…」
「もういいから。帰りな。」
「でも…俺も看病したいよ…渉の役に立ちたいよ。」
「俺は、太輔に風邪うつしたくないよ?」
腕組みして口をへの字にして諭すように見つめてくる。

「お、俺のうつした風邪だからうつんないよ!」
涙目でなおも食い下がると、
「フハハッ。本当に好きだねぇー、俺のこと。」と、
いつもの笑顔になった渉は、
組んでいた腕をほどいて
俺の頭をポンポンしてくれる。

そうだよ…好きだよ。大好き…
心の中で想いながら言葉につまっていると、
ポンポンした手をそのまま耳横にスルと移動させ
俺の長めの髪の毛をくるくるといじりながら、
「じゃあさ。何もしなくていいから、ここにいて。
で、俺が寝たら帰って?」と、
渉は少し頭を横に傾けて返事を促してくる。

こくっと頷くと、
「よし、じゃあ、おやしゅみ。」
少し噛みながら、
俺の髪をいじっていた手を離して、
ふとんの中へずるずるともぐっていく。

もぞもぞと、こちら側へ横向けになると、
掛け布団に鼻までもぐって
片腕をにゅっと出し、
「ん。」
と手の平を上に向けて
閉じて開いてのグーパーをしてくる。

「え?なに?」
「太輔のマネ。」
「へっ?」
「だからぁー。手、握っててくれるんでしょ?」
ニヤニヤとからかうように目を細めながら、
またグーパーする。

あ…こないだ看病してもらったときの俺のマネか…
熱のある渉と同じくらい顔を赤くさせながら、
それでも平静を装おうと
「いいけど?」なんて上から返事をして、
差し出された渉の細長い綺麗な指をキュッと掴む。

握り返されたその手は、そのまま渉によって
布団の中に引き込まれる。
そのまま自分の頬に俺の手が触れるように
繋いだ手を置いて満足そうに目を閉じた。

-3→←看病な夜-パターンピンク



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coguma(プロフ) - 緒直さん» 毎度、ご贔屓に預かりありがとうございます!メンバー絡むと私も書いてて楽しいです。実際、わたたいにメンバーは振り回されてる気がして、妄想が止まらないです。またわちゃわちゃ書きますねー。 (2016年2月26日 11時) (レス) id: cd9086678d (このIDを非表示/違反報告)
緒直(プロフ) - どのお話も好きですが「看病な夜」がどちらのパターンも後日談を含めて楽しいです!巻き込まれるメンバー(特に宮っちの不憫さ)に笑わせて頂きました! (2016年2月26日 9時) (レス) id: 8f38dfd30e (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - 太輔姫にメロメロさん» お返事、ありがとうございます。あー!なるほど。あの現場を見て、玉ちゃんはどう思ったのかしら笑 (2016年1月23日 19時) (レス) id: bbde69f82a (このIDを非表示/違反報告)
太輔姫にメロメロ(プロフ) - 会報vol.15の奴で太輔の目の前に玉ちゃんも居たらしいです (2016年1月23日 0時) (レス) id: 3af4f13be7 (このIDを非表示/違反報告)
coguma(プロフ) - 太輔姫にメロメロさん» コメントありがとうございます!女子ヶ谷、かわいいですよね〜。玉ちゃんどこにいたのでしょう?? (2016年1月22日 23時) (レス) id: bbde69f82a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:coguma | 作成日時:2015年9月29日 23時

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