獅子と姫君【ツイステ】 (ページ28)

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故郷ページ28

無事卒業した私の前に大きな城が現れる

『帰ってきてしまったわ』

自分の家に帰ってきただけなのに、こんなに手が震えるなんて不思議ね

ギィとなる重い扉が懐かしいわ

「お帰りなさいませ。A様」

『どうして…』

ばあやにじいや、それに使用人皆が頭を下げて私を出迎えている

居場所なんてとっくになくなっていると思っていたのに

また涙が出てきそうだわ

私ったらすっかり泣き虫になってしまったのね

「ナイトレイブンカレッジ様から、お手紙を頂きまして。最初は皆驚きましたが、初めてA様がご自身で決断したこと。とても嬉しく思いました」

『何も言わずにごめんなさい。それとねばあや、どうしても確かめたいことがあるわ』

私の目を見て小さく頷き、部屋へと誘導してくれるばあや

『私の部屋は反対側よ？』

「えぇ。ですが、お母様の部屋でお話をした方が宜しいかと思ったので」

ばあやには完敗だわ

私の考えること全てお見通しだもの

『そうね。そのほうがいいわ』

お母様の部屋が近くなる度に、心臓が大きく波打つ

亡くなってから何となく避けていた部屋

遂に私は、白百合の国の秘密に触れるのね