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「それで早く来たの?」
「昨日たいして話せへんかったやん?」
「そうだね」
んふふ、と自然と顔がほころびる。
まだ青い草木の匂いが、ぬるい風に乗って鼻をツンと触る。
慎吾の指が缶の蓋をカチッとならして、コーヒーが喉を下っていく音さえも聞こえる。
「そういえばさ、」
「うん?」
「昨日もコーヒーくれたじゃん?」
「うん」
「なんで、缶コーヒー2個?」
「左右差が嫌やから。わかる?左右差」
それまではうん、うんとゆっくり話を聞いていたのに、質問の答えは間髪入れずに出された。
「…サユーサ?」
「右と左の差で、左右差」
「…ああ〜、なるほど。で、何か左右差関係あるっけ?」
「いやな、最初は普通にちょっとかっこつけて1本飲んでみたかっただけなんやけど」
「うん」
「スクワットするときにどうせなら腕にもちょっと負担かけたろ思て、その缶コーヒー握りしめてやってみてん。したら、片方だけ負荷かかるのめっちゃ気持ち悪くて、それから2本買い始めたっていうことやな」
自分でやっておいて、そして言っておいて慎吾が笑い始めたから、私もつられて笑ってしまった。
「それ、効果あるの?(笑)」
「ほぼないやろな、でもこれがこだわりやから」
でもここで思い出したんだけど、そういえば昨日、慎吾はスクワットし始める前に既に私にコーヒーを渡していた。
「昨日はよかったの?2本持ってスクワットしなくて」
「まあ昨日も今日も、コミニュケーションツールってやつやん?」
って、(たぶん)ドヤ顔で決めてきたけど
コミニュケーションじゃなくて
コミュニケーションな。
__________
お久しぶりです(思ったより忙しかった(言い訳))
慎吾さんお誕生日おめでとうございます!
ちゃんと更新していこうと思っております(;_;)
よろしくお願いします
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作者名:小鳳 | 作成日時:2019年1月9日 18時