ORDER4 ページ37
「レモンシャーベットよ。コーヒーによく合うと思うわ、一緒にどうぞ」
「えっ！ ええんですか、お菓子まで……」
「いいのよ、まだ沢山残っているから。それに、是非このコーヒーと一緒に食べて欲しかったの」
「ほなら、いただきます。おおきに！ 」
丸くほの黄色いシャーベットにスプーンを入れ、口の中へと放り込む。
まだコーヒーの温かさが残る舌先に、ひやりとした感覚が伝わり、たちまちそれは口いっぱいのレモンの香りと甘さに代わった。
不思議と、その酸っぱさと僅かな甘さはコーヒーとよく合った。苦味の中で酸味が溶けて、やがて残った甘味が程よく絡み合う。
気がつけば、入れ物の中はすっかり空っぽになっていた。ふうと一息ついた瞬間、彼のこめかみをキンと張った痛みが襲った。
「っ〜！ 」
「あらあら、急いで食べるからよ」
「〜っ、やってめちゃくちゃ美味くって……」
ふと、しかめた顔を緩ませたその一瞬。目の前の人影が、見慣れた影になった。気がした。
『急いで食べるからやって』
同じことを昔、言われた。それもまた、言ったのはいつも一緒だった。
「！ 謙也くん、大丈夫！？ そんなに痛かった……！？ 」
「え……」
頬に当てた手に感じたのは、温かく湿った何か。
舌根に残った苦さのせいか。冷たさに頭を突いた痛さのせいか。はたまた、昔の夏の記憶のせいか。
零れた涙の理由を探すのには、また少しばかり時間が必要だった。
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幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» 鳴菜瀬ちゃん！！久しぶりです、ものすごい亀更新になると思うけどまた見てくれたら嬉しいです……！ (2018年2月10日 23時) (
レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - お久しぶりです。鳴菜瀬です!!覚えてるかな?久しぶりに占ツク来たら新作上がっててびっくりしました。おかえり!これからも応援してます! (2018年2月4日 17時) (レス) id: 62c6436c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年2月1日 2時
