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久しぶりだね、と話す彼女の声は、あの頃と変わらず高くて、少し頼りなくて。変わらない、と彼は心のどこかで安心していた。
「本当に偶然だね！ ずっとアメリカにいたの……？ 」
「……まあ。たまに帰ってきたりとかはしてたけど」
話は、途切れてはまた続き、そしてまた途切れる。何も変わっていないのだ。彼女が自分へ抱く思いも、話し方も。彼女も、何もかも。全て、あの頃と同じ。
変わったといえば、自分の心情くらいか。
「私ね、今このあたりに住んでるんだ！ たまにはリョーマくんもみんなに会ってあげなよ、朋ちゃんとかも喜ぶと思うなあ……」
「……気ぃ向いたらね」
彼女が合わせた手の、薬指。はまったそのアクセサリーを、彼は見逃さなかった。
聞かなくともわかる。あの指輪が示す意味を知らないほど、自分はもう子供ではない。
「あっ、そろそろ行かなきゃ……それじゃあね、リョーマくん！ また！ 」
「ん」
幸せそうに去っていく彼女に、彼は小さく手を振った。
そう。自分はもう、子供ではない。あの時わからなかった感情も、今ならわかる。わかってしまう。
けれど、この胸の奥に凝り固まって残るような。何処かつっかえて苦しくて、じんわりと痛むような。その意味をわかってしまうほど、大人にはなりたくなかった＿＿
桜は、散る。ものも言わず、彼の上を風に乗って去っていく。
その中を彼はただ一人、彼女が去った方向を見つめたままそこに立っていた。
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幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» 鳴菜瀬ちゃん！！久しぶりです、ものすごい亀更新になると思うけどまた見てくれたら嬉しいです……！ (2018年2月10日 23時) (
レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - お久しぶりです。鳴菜瀬です!!覚えてるかな?久しぶりに占ツク来たら新作上がっててびっくりしました。おかえり!これからも応援してます! (2018年2月4日 17時) (レス) id: 62c6436c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年2月1日 2時
