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新緑の季節になると、決まって悪い夢を見る。
遠くから響く、軽快な音を聞きながら彼は静かに俯いた。
じんわりとした嫌な痛みが、右肩を覆う。嫌な気分だ。聞きたくない。踵を返し、彼は足を進めた。
この季節になると、いつも思い出す。そして、再びあの痛みを感じてしまう。ただがむしゃらだったあの頃、無茶をしてでも勝利を収めたかったあの日。
後悔はしないと決めたはずだった。大好きなものが出来なくなったとしても、悔いはないと思っていた。それならば、何故こんなにも過去を思い出してしまうのか。
(みっともない)
自分の招いた結果。自業自得。だから自分は、ラケットを手放した。それでも否応なく、足は向かってしまうもので。
高校にほど近い、テニススクール。その前で足を止めては、あの痛みを思い出し引き返す。進学して二年、彼はそんなことばかり続けていた。
未練がましいと我ながら思う。それでも断ち切れないこの思いはなんなのだろう。
(……嗚呼、テニスがしたい)
思い切りラケットを振って、球を追いたい。ひたすらに打ち込んで、試合がしたい。
しかしそれは叶わぬ夢。それも、彼はわかっていた。
中学のあの日の試合。自校の優勝がかかった試合の中で、彼は二度とテニスのできない体になってしまったのである。
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幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» 鳴菜瀬ちゃん！！久しぶりです、ものすごい亀更新になると思うけどまた見てくれたら嬉しいです……！ (2018年2月10日 23時) (
レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - お久しぶりです。鳴菜瀬です!!覚えてるかな?久しぶりに占ツク来たら新作上がっててびっくりしました。おかえり!これからも応援してます! (2018年2月4日 17時) (レス) id: 62c6436c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年2月1日 2時
