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「よかった……まだ乗ってなくてっ……！ 」
「何。どうしたの」
素っ気なく、それでも彼女のペースに合わせて、彼は尋ねた。初めから、こうすればよかったのに。
「あのねっ……私っ今日リョーマくんがっアメリカ行っちゃうって……聞いてっ……」
「うん」
「それでっそれでっ……そのっ……お見送りっていうかっ……なんかっ居てもたってもいられなくなっちゃって……！ えっと……それでっ……」
「うん、何」
人が通り過ぎる。アナウンスが鳴る。少しだけ反応した彼に、彼女は更に焦りながら言葉を紡いだ。
二度目の話。あの頃の自分が気がつけなかったことを、今なら気がつける。
今なら、馬鹿みたいな過去を変えることが出来る。
「……搭乗、行かなきゃ」
「ま、待って！！ リョーマくん待って！！ 」
アナウンスを耳に踏み出した足。でも、もうどこにも行かない。
彼女が紡ごうとした言葉を、今の自分ならば。
「あのねっ私……！ リョーマくんが、リョーマくんのことがっ……！ 」
引き返した足に反動を込める。重なる身体に、ふわりとお下げが揺れた。
「俺も」
紡ぎかけた言葉と、伝えたかった言葉が雑踏に溶ける。
まだ搭乗に時間はある。何なら、飛行機を逃したって構わない。次のに乗ればいい。都合を合わせればいい。
腕の中の彼女は、その言葉に涙を滲ませ笑って。そうして、嬉しそうに彼の背を抱き寄せた。
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幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» 鳴菜瀬ちゃん！！久しぶりです、ものすごい亀更新になると思うけどまた見てくれたら嬉しいです……！ (2018年2月10日 23時) (
レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - お久しぶりです。鳴菜瀬です!!覚えてるかな?久しぶりに占ツク来たら新作上がっててびっくりしました。おかえり!これからも応援してます! (2018年2月4日 17時) (レス) id: 62c6436c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2018年2月1日 2時
