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4:部活 ページ5

「え、部活やんないの?」
「うん」
「なんだぁ、せっかく女子サッカーあるんだしやれば良いのに〜」

串に刺さった唐揚げを咀嚼しながら、ポテトをつまむ綾に苦笑を向ける。
食堂で昼食を食べる気にはなれず、別に示し会わせたわけでもないのに、私たちはこうしてお互いの教室を行き来してお昼ごはんを食べることになっている。

「そんなにひどい怪我だったの?何だっけ、膝まえ…十字…」
「左膝前十字靭帯断裂」
「それ」
「いや、スポーツやる人なら別に珍しい怪我じゃないよ」

綾が眉間に寄せた皺を揉みほぐすように指で抑え、うーんと唸った。

「聖蹟ってサッカー強いんじゃん?女子サッカーがあるってことは公式戦にも出られるわけだしさぁ……ほら、中学の時は、」
「もう良いんだって、半年も走ってないし、今さらブランク埋めるのキツいし」

そっか、と、納得の行かない顔を見せる綾を見ないふりして、窓の外へ視線を向ける。
晴れてるなぁ。

「……あれ?」
「ん?どした?」
「いや、今……」

外を走ってる姿に見覚えがあった。
と言うか、あれはたぶん、隣の水樹くんだ。

「……そう言えば、サッカー部だっけ」

真中、とか言うクラスメートに誘われて二つ返事で入部すると答えていた記憶がある。

「うへ、あれって二組のミズキくん?昼休みにも走ってんだぁ」
「ね、ビックリした」

元々陸上部なんだっけ。
サッカー、上手いんかな。

「私も何か部活しようかなぁ」

呟いた綾に、良いんじゃない?なんて無責任に答えながら、サッカーに未練たらたらな自分を重い女だな、なんて思ったりした。



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作者名: | 作成日時:2020年9月24日 1時

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