ORDER11 ページ24
きっちり卒業した後、俺はすぐにクロックで働き始めた。
仕込みもあるという問題から、親やAさんと話し合って住み込みさせてもらうことになった。これは正直、ラッキーだったと思っている。
驚いたのは、今日びSNSを知らない人間が存在していたこと。俺はすぐさま公式アカウントを作り、店の宣伝をすることにした。
黒板のイラストも俺の提案。おかげで、だいぶお客も入るようになった。
そうして、今。俺は相変わらず、クロックで従業員をしている。
まあ、それなりに幸せだ。何より身近でAさんの幸せそうな顔が見られるってのが一番。
やっぱ食って幸せになった顔を見るのは良いもんだ。立ち込めるバターの香りを吸い込みながら、俺は上機嫌にオーブンを開けた。
「よし！ 今日も天才的だぜぃ！ 」
キツネ色のアップルパイを八つに分ける。そのうち一つだけは、Aさん用。
「Aさん！ これ！ 今日、今年初アップルパイなんで」
「おはようブンちゃん……あら、ありがとうね。いつもいつも」
「いーえー、早くお母さんにお供えしてあげてくださいよ」
さて、もう何台か焼いておくか。
俺は用意しておいたアップルパイをまた鉄板に乗せると、オーブンに放り込んだ。
喫茶『クロック』。本日のお菓子は、リンゴがごろごろ入ったさっくさくのアップルパイです！
本日もご来店、お待ちしております。
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幻想曲(プロフ) - 神の子依存症@鈴歌さん» ありがとうございます！表現の仕方については私もこの作品を作る上で気をつけている点なのでそう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年4月5日 16時) (
レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
神の子依存症@鈴歌 - 初コメ失礼します。情景が浮かぶような、風景画みたいな表現のしかたと不思議な切ない話に惹かれて前作から読みました。更新楽しみにしています。無理しない位で頑張って下さい (2019年4月5日 15時) (レス) id: af6ad853e4 (このIDを非表示/違反報告)
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