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しばらくして。俺は、背中にふかふかしたものを感じて体を動かした。


まだだるさはあるものの、頭の痛みと蒸し暑さはだいぶ引いていた。


ここが天国か……そう思いつつ、目を開く。すると、焦げ茶の天井とさっきも聞いた優しい声が横から飛んできた。


「良かった、気がついたのね」


「うわっ!? 」


慌てて横を向く。その瞬間俺の体は再び熱を帯びた。残暑じゃない。体というよりは、むしろ顔。


優しく大きい目にさらさらのストレートロングヘアー。ほのかに香る香ばしい匂い。細い手に色白の、……天使?


「あら、まだ顔が熱いわ……もう少し冷やしておきましょう、意識は大丈夫? 」


はい、ともええ、とも言えず、俺はただこくこくと頷いた。ていうか、答え方を忘れてた。


「そう、良かったわ。見つけた時はどうしようかと……貴方、熱中症で倒れていたのよ? 応急処置をして、近所の人にうちまで運んでもらったんだけど……ああ、ごめんなさいね。ネクタイとシャツのボタンは外させてもらったわ」


いろんな感情を理解する前に、彼女は席を立った。どうやら、水を持ってきてくれるみたいだった。


階段を下りていく音が去ってから初めて、俺は体を思い切り動かした。何をしたかと言うと、布団をかぶってそれを頭に押し付けていた。で、困惑してた。ずっと。


だってビビるだろぃ? 綺麗な人に助けてもらうとか漫画じゃん。ほら、俺も男だし。このまま、その……


と、不埒なことを考えているとまた階段を登ってくる音が微かに聞こえた。


俺は静かに布団からはいでると体を起こし、彼女が入ってくる瞬間に備えることにした。

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設定タグ:テニプリ , 丸井ブン太 , ファンタジー   
作品ジャンル:アニメ
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幻想曲(プロフ) - 神の子依存症@鈴歌さん» ありがとうございます!表現の仕方については私もこの作品を作る上で気をつけている点なのでそう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年4月5日 16時) (レス) id: 530eb924bf (このIDを非表示/違反報告)
神の子依存症@鈴歌 - 初コメ失礼します。情景が浮かぶような、風景画みたいな表現のしかたと不思議な切ない話に惹かれて前作から読みました。更新楽しみにしています。無理しない位で頑張って下さい (2019年4月5日 15時) (レス) id: af6ad853e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年2月23日 2時

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