コーヒー (ページ5)

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「Aちゃん送ってくわ」
「頼んだー」

そんな声が聞こえて手首を引っ張られて歩き出す。

確かあの後「可愛い」と言われて嬉しくなって、急ピッチで飲みまくったんだっけ。

「ん、ワタナベさ…」
「翔太って呼んでって言ったじゃん」
「翔太、く、」
「そうそう、いいこいいこ」

立ち止まって私の頭を優しく撫でると、翔太くんは私の荷物を代わりに持って、

「もう終電ないから俺ん家寄ってく？」

＂もう終電ないから＂

＂俺ん家寄ってく？＂

「ん…？」

アルコールの回った頭では処理できなくて、ぐらん、と頭が揺れたのをOKと受け取った翔太くんは「ふは」と笑った。

手首から掌へ、翔太くんが私の手を絡め取り、ふらふらな私を支えて再び歩き出した。

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遠くの方で誰かのアラーム音が鳴り響く。
目を開けると知らない天井。
多分二日酔いでズキズキと痛む頭。

漫画によくありそうな表現だな、と自嘲しながら起き上がると、肌に感じる違和感。

見回すと辺りには散らばった、昨日着ていた服。

「…え？」

横には昨日一目惚れした人の寝顔。

「え？」

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