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高校生になったら彼氏ぐらいできるでしょ。
二つ上のカッコいい先輩とか、隣の席になったヤンチャな人とか、年下の言い寄ってくる可愛い後輩とか、バイト先の他校の人とか、電車内で痴漢から守ってくれた人とか。
…大学生になったらさすがにね。4年もあるんだし。
コンパで出会った先輩と、とか。課題を互いに助け合った男友達と、とか。留学先のイケメンと、とか。
「少女漫画の読み過ぎじゃない？」
「…さすがにここまで彼氏できないと思ってなかった」
遡ること一年。
大学3年、20歳になっても彼氏が一人もできたことがない私は相当焦っていた。
「あ、ミカだ」
通知を知らせた友人のスマホを覗き込むと、合コンのお誘い。
「…ねえ、それ私行く」
「はあ？あんた合コン行ったことないでしょ」
「ないから行くのよ」
「いや、初めてがこの幹事のって…」
「行く！行きたい！行かせてくれ！」
焦った挙句、男癖が悪いで有名の同期が幹事の合コンに手を挙げて、その夜私は指定された店にやって来てしまった。
「あの子主催の合コンは一夜限りが多いって聞くから、嫌な相手だったらすぐ逃げなよ」
友人の忠告も聞き流すくらいに、頭は合コンのことでいっぱいだった。
席に着くと私以外の女の子は揃っていて、相手の到着を待っていたようだった。あ、ミカちゃんは端っこ。手振ってる。
他の女の子に負けないように、服装は持っている限りの派手目を選んだし、ちょっと高めの香水だってつけた。
メイクも濃くして、髪も巻いて下ろした。
今日だ、今日こそ、素敵な彼氏を見つける。
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作者名：恋 | 作成日時：2021年8月24日 0時
