ピリオドマン (ページ33)

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この感じからして2人は上手いこと一緒に生活できてるみたいや
そこそこ片付いた冷蔵庫に食材を入れていく
にしてもマルの家にしては綺麗やな

倉「信ちゃん結構片付け頑張ったやろ」

雛「うん、最初来た時死ぬほど散らかってたで」

倉「やっぱりな」

全ての食材を然るべき場所になおしおわってやたらフカフカなソファに座らせてもらう

雛「まぁでもたまたま事務所に横山おってよかったなぁ」

丸「多分安田さんが仕組んだんやろう」

雛「どういうこと？」

丸「安田さんにとっては出来るだけ幾つもの派閥が対立してる方が情報屋とか武器商としての仕事が需要があるやろ？」

雛「うん」

丸「横山があの時事務所にいなければ丸山会が全滅してた可能性が高い、でも丸山会は横山組に勝っても殺しはせえへんから壊滅することはない、つまり安田にとってお得やねん」

雛「そうなんや、賢いんやなぁ」

丸「まぁしてやられた感はないこともないけど結果オーライやから良しとしようってとこやね」

倉「アイツだけはほんま敵回したくないわぁ、あ、そういや信ちゃんってこれからどうするん？」

少し迷ったような信ちゃんやけど、それは多分どうするか迷ってるというより言うか迷ってるという類のもの

雛「なぁ、丸山会に入ったらあかん？」

丸「それはあかん」

思ったより即答で俺も驚いたし信ちゃんも驚いてる

丸「信ちゃんが思ってるより俺らは綺麗じゃないよ、叩かなくてもほこりだらけやし」

雛「俺、高校中退やし働き先も多分ろくなとこ見つからへんし」

丸「そこはなんとかするから心配せんとって、僕らとの関わりもなかったことにするし」

雛「うん…、わかった」

少しだけしょんぼりした信ちゃん
でも確かにそれが信ちゃんにとっては一番いいのかもしらん

倉「まぁ俺んとこで雇ってもいいし」

丸「そうやな、信ちゃんは巻き込まれたただの一般人、ただの俺の同級生」

信ちゃんも、言った本人でさえも気づいてへんかも知らんけど、それを言ったマルが一番悲しそうやった
一度暴力団関係者やと見なされれば、今の日本で普通に生きるのはとても難しい

マルはほんまに誰にも迷惑がかからん形で丸山会を無くそうとしてるのかもしれないと、ふと思った

完