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握手を交わして私が自己紹介をしようとするより先に、二宮さんが口を開いた。
「俺の彼女の倉野Aさん」
顔が熱くなったから誤魔化すように頭を下げる。
城島先生はそうかぁと穏やかな相槌を打ってくれた。
「可愛い子やねえ」
「でしょ？」
二宮さんの言葉に顔の熱がなかなか引いていかない。そんな私を見て城島先生はくすっと微笑んだ。
「二宮から久しぶりに連絡もらったかと思ったら、急に遊びに行ってええかっ聞いてくるから驚いたよ」
「センセなら日曜にいるかなーと思ってさ」
「今日は部活やってる生徒もそんなにおらんし、ゆっくりしていってくれたらええよ」
「ありがとうございます」
「でもイチャつくのは止めてくれよ。思春期の少年には刺激が強いで」
「イチャつくって…！」
「ふふっ。少年たちに見せつける？」
「ホンマにやめとけよ！」
城島先生は部活があるからと戻っていった。じゃ、行きますかと二宮さんが校舎へと入っていくのを後ろから付いていく。
「良い先生ですね」
「センセ？あんま先生っぽくないよね」
「何を教えてくれてたんですか？」
「国語のセンセ。でも本当に教わってたのは農業のことかな？」
「えっ！？」
全然関係ない単語が出てきて頭がクエスチョンマークでいっぱいになる。
「あの人、実家が農家でね、自分も土いじりが趣味でここでも園芸部の顧問とかやってんの。だからしょっちゅう関係ない農業の話とか聞かされてたなあ」
当時のことを思い出してるのか、くすくすと笑いながら話す。
「俺の爺ちゃんが喫茶店やってるって知ったら、コーヒー豆についても語ってくれてさ」
あれは困ったなと話す二宮さんの顔はどこか幼く見えた。
「本当にいい先生だったんですね」
私が改めて強く言うと、二宮さんはふふっと笑った。
「懐かしいなあ」
ガラガラと戸を開けて教室に入っていく。たくさんの机が並んでいるのを見ると、自分が学んだ教室じゃなくても、不思議と懐かしさを感じた。
「どの席だったんですか？」
私が聞くと二宮さんは窓際の一番後ろの席まで歩いていく。
「ここが俺の席」
「特等席ですね」
「んふっ。俺は恵まれてたからね」
ウインクしてキメ顔をする二宮さん。
……なんとなく、どんな高校生活だったか想像がつく。
私も二宮さんの所まで歩いていって、特等席の椅子に腰をかけた。開いてる窓からふわりと風が吹いてくる。
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よっしー - 2度目です。何回読んでもいいですね(*^.^*)本当に更新待ってまーす＼(^o^)／ (2018年4月29日 11時) (
レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月25日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - よっしーさん» コメントありがとうございます！ちょっといま更新が滞っていてすみません…！でも続きが読みたいのお言葉が嬉しくて頑張れそうです。もう少しお待ちください(*^_^*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: 9502643afc (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - とっても続きが楽しみです(^o^)更新まっていますね(^_-)ニノの過去がちょっと気になるかな？“もう彼女なんていらないわ”ってセリフ気になる〜。早く続き読みたいです(^o^)/ (2017年7月4日 21時) (レス) id: aab48ffb53 (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - あさみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！早々に相葉さんを登場させてしまってすみませんヽ(；▽；)ノこれからも甘い雰囲気を心がけて書いていきますね！ (2017年5月27日 2時) (レス) id: 69438d7547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東 | 作成日時：2017年5月11日 0時
