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「ニノはさ…」
しばらく黙っていた松本さんがふいに話し始めた。
「めんどくさがり屋で趣味がインドアな奴だけど」
「ゲーマー、ですもんね」
「ふふっ、そうそう」
あれ一歩間違えば廃人だよね、と松本さんは可笑しそうに笑う。
「でも…意外と付き合いのいい奴だから」
「…はい」
「倉野さんが行きたい所を素直に言えば良いと思うよ。雑誌に載ってるような所じゃなくても、ね？」
「……はいっ！」
励ましの言葉に嬉しくなって思いっきり頭を下げる。すると松本さんが大げさだよって言って、また大きく笑った。
部屋に帰ってくるとタイミング良く二宮さんからLINEの通知。スマホを見ると今週の日曜はどう？と書いてあった。大丈夫ですよと返事をすると、じゃあ家まで迎えに行くから時間はまた教えてと返事。
何時ぐらいがいいだろう？
そもそもどこに行きたいか決めなくちゃ。
買ってきた雑誌をパラパラと見てるけど、さっきの松本さんの言葉が頭をぐるぐるしてる。
私の行きたいところ、行きたいところ。
いろいろと考えて、あっと閃いた場所があった。
恐る恐る二宮さんにLINEをしてみる。
すると、返事ではなくて、着信があった。
慌てて出ると、どうしたの？と疑問を投げかけられた。
「あ、やっぱり、ダメでしたか？」
「いや、いいけど…あんな所でいいの？ホントに？」
「はい、そこがいいんです」
私が念押しすると、まあいいけどと二宮さんがボソボソと呟いた。
「でも、中には入れないかもしんないよ？一応、聞いてはみるけど」
「あっ、大丈夫です！外から眺めるだけで充分ですから」
「ふふっ。それだと本当に何しに行くのかわかんないよ？」
「うーん…でも、それでも私はいいんです」
変な人だねえと二宮さんが呆れたように笑う。
お互い様ですよ？という言葉は、心の奥にぐっと飲み込んだ。
日曜日。
よく晴れた空の下で二宮さんを待っていると、黄色のフォルクスワーゲンが近寄ってきた。
「お待たせ」
運転席の窓が開いて二宮さんが顔をのぞかせる。助手席に回ってドアを開けると、ふわっと良い香りが漂ってきた。
「いい香り」
私が呟くと二宮さんがふっと笑った。
「彼女を乗せるし、ちょっとよそ行きにしときました」
そう言って指差した所を見ると、車用のフレグランスがエアコンの部分に付けられていた。その心遣いが嬉しくって、今日はデートなんだって改めて実感する。
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よっしー - 2度目です。何回読んでもいいですね(*^.^*)本当に更新待ってまーす＼(^o^)／ (2018年4月29日 11時) (
レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月25日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - よっしーさん» コメントありがとうございます！ちょっといま更新が滞っていてすみません…！でも続きが読みたいのお言葉が嬉しくて頑張れそうです。もう少しお待ちください(*^_^*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: 9502643afc (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - とっても続きが楽しみです(^o^)更新まっていますね(^_-)ニノの過去がちょっと気になるかな？“もう彼女なんていらないわ”ってセリフ気になる〜。早く続き読みたいです(^o^)/ (2017年7月4日 21時) (レス) id: aab48ffb53 (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - あさみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！早々に相葉さんを登場させてしまってすみませんヽ(；▽；)ノこれからも甘い雰囲気を心がけて書いていきますね！ (2017年5月27日 2時) (レス) id: 69438d7547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東 | 作成日時：2017年5月11日 0時
