coffee break side.S ページ22
「ニノったら突然蹴りいれてくるんだよ？ひどくない？」
雅紀が自分の腹をさしてアピールしてくる。3回目の主張でさすがにしつこい。わかったよ、とぞんざいに返事をすると、ホントにわかってるの？と面倒くさい女みたいな反応をしてきた。
こりゃ、かなり酔っ払ってるな。
ため息をつきながらも店員に水を２つ頼む。
仕事帰りに雅紀とバッタリ会って近くの居酒屋に入った。話題の中心は最近想いが通じ合ったらしい、店主の恋路のこと。
あれは数日前。
ニノからLINEの通知があった。
なんだろうと思ってタップすると、
「相葉さんにバレたから、伝わるのも時間の問題だから先に言っとくね。Aさんに告白しました」
とまさかの内容。
驚いて同じスタンプを２つ続けて送ってしまった。けど既読スルー。
とりあえずおめでとうと送ったけど、それも既読スルー。ま、あんまり触れて欲しくないのかなと思い、それ以上は追求しなかった。
でも雅紀が知った経緯が気になったから、いい機会だし聞こうと思ったら、なぜかニノから蹴りをいれられたという愚痴話。
まあ大方、2人に対してなんか変なことを雅紀が言ったんだろうなあ。
その時の様子が容易に想像できる。
「でも、めでたいよね！ニノにやっと春が来たんだもんね！」
雅紀がさっきまでグチグチ言ってたかと思えば、今度はニコニと笑って酒をぐいっと煽った。表情がコロコロ変わる男だこと。
でもまあ、それは俺も同意だったから、だよなあと頷いた。
「俺ねニノには幸せになってほしいんだよ」
「俺も同じだよ」
数年前の友人の姿を思い返す。
傷ついているはずなのに、そんな素振りは見せずにクフフっと笑って、ただひと言。
「もう彼女なんていらないわ」
酒を飲みながらぼそりと呟いてた姿。
なんて、冗談。
むしろ女が放っておいてくれないですし？
後でそんな風に付け足してたけど。
聞いてた俺らは誰1人として笑い飛ばすことはできなかった。
あれから今日までずっと。
なんとなくニノとの間では恋愛の話とかは避けてた。モテる奴だし、たぶんそれなりの相手は、それなりにいたんだろうけど。
いつか本気になれる相手が現れたらいいのにって、心のどこかでずっと思ってた。
そんな相手が現れんだから、どんなに祝杯をあげたって間に合わないぐらいだ。
「……赤飯でも炊いて持ってく？」
俺の冗談みたいな提案を聞いた雅紀が破顔した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 703人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よっしー - 2度目です。何回読んでもいいですね(*^.^*)本当に更新待ってまーす＼(^o^)／ (2018年4月29日 11時) (
レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月25日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - よっしーさん» コメントありがとうございます！ちょっといま更新が滞っていてすみません…！でも続きが読みたいのお言葉が嬉しくて頑張れそうです。もう少しお待ちください(*^_^*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: 9502643afc (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - とっても続きが楽しみです(^o^)更新まっていますね(^_-)ニノの過去がちょっと気になるかな？“もう彼女なんていらないわ”ってセリフ気になる〜。早く続き読みたいです(^o^)/ (2017年7月4日 21時) (レス) id: aab48ffb53 (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - あさみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！早々に相葉さんを登場させてしまってすみませんヽ(；▽；)ノこれからも甘い雰囲気を心がけて書いていきますね！ (2017年5月27日 2時) (レス) id: 69438d7547 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東 | 作成日時：2017年5月11日 0時
