coffee break side.H-2 ページ16
ゆらゆら揺れる身体を引き止めて、近くにあった椅子まで引っ張っていく。
すとんと座らせると、その前に背中を向けて座り込んで、器用に彼女の身体を背負いこむ。
よいしょという掛け声と共に立ち上がれば、あっという間におんぶの出来上がりだ。
パッと見はそんなに筋肉がありそうな感じはしないのに、女の子をおぶってる姿は全く苦にしてる素振りはない。
「俺このままこの人送ってくから。翔ちゃん、金は今度でいい？」
「えっ！？あぁ、いいけど…ニノ大丈夫かよ？」
「ま、なんとかなるでしょ。じゃあね」
そう言ってヒラヒラと片手を揺らして、器用に扉を開けると、2人は夜の闇に吸い込まれていった。
後に残された常連連中と俺は、顔を見合わせて、奇妙な沈黙に包まれる。
「……お前らこの後どうすんの？まだ飲む？」
俺の言葉に各々、顔を見合わせて、全員が一様に首を横に振った。
ま、そうなるわな。
無自覚に2人の世界を見せつけられるのって、なんかこう、色々とクルな。
帰り支度をする常連連中を見て、なぜだかひどく同情した。
「はい、料金」
「ありがと、博さん」
いつものように伝票を櫻井に手渡す。いつの頃からか5人で飲むときはこいつが会計をするようになっていた。まあ一番しっかりしてるしな。じゃあ1人○千円で、という声を聞きながら、ふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「あの2人っていつから付き合ってんの？」
前に飲みに来ていた時は、そんな話はしてなかった気がする。むしろモテそうなのに、彼女の話とかは聞いたことがなかったから。いつの間にあんな彼女がいたのか不思議だった。
そんな俺の質問に4人ともキョトンとした表情をした。
「あの2人まだ付き合ってないけど」
「はあ！？」
櫻井の言葉に思わず大声が出た。
「うんうん！付き合ったって聞いてない！」
「でも手は繋いだって言ってたよねえ」
「この間お見舞いも来てくれたんでしょ？」
「……それでまだ付き合ってねえの？」
俺の心からの声に4人とも、一斉に見つめあった後、あははと大声で笑いだした。
「まあ確かにね。驚きだよね」
「ホント。セカチューも真っ青の純愛だよね！」
「セカチューって古くない？」
「今だったらなんなんだろうねえ」
どこかズレた会話をわいわいと続ける奴らを見て、俺もおかしくなってきて笑った。
まあ、いいか。
今度2人で来てくれたら酔っぱらわせたお詫びにアルコール1杯サービスしようと、秘かに思った。
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よっしー - 2度目です。何回読んでもいいですね(*^.^*)本当に更新待ってまーす＼(^o^)／ (2018年4月29日 11時) (
レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月25日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - よっしーさん» コメントありがとうございます！ちょっといま更新が滞っていてすみません…！でも続きが読みたいのお言葉が嬉しくて頑張れそうです。もう少しお待ちください(*^_^*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: 9502643afc (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - とっても続きが楽しみです(^o^)更新まっていますね(^_-)ニノの過去がちょっと気になるかな？“もう彼女なんていらないわ”ってセリフ気になる〜。早く続き読みたいです(^o^)/ (2017年7月4日 21時) (レス) id: aab48ffb53 (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - あさみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！早々に相葉さんを登場させてしまってすみませんヽ(；▽；)ノこれからも甘い雰囲気を心がけて書いていきますね！ (2017年5月27日 2時) (レス) id: 69438d7547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東 | 作成日時：2017年5月11日 0時
