coffee break side.N ページ1
残っていた食器を洗い終えて、ソファーに思わず倒れこむ。
ベッドに行けという自分と、面倒くさいって自分とが闘って、見事に面倒くさがりやの勝利。
そのままクッションに顔を埋めれば、否応無しに浮かんでくる顔。
帰り際、額を押さえながら、やっぱりからかったんですねと涙目で訴える彼女を宥めるのに時間がかかった。
最後まで疑わしい目で俺のこと見てたな。
次に店に来た時は今日のお礼も兼ねて、コーヒーと潤くんのケーキもつけてご馳走しようと決める。
「…でもさ、Aも悪いんだよ」
誰もいない部屋に男のどうしようもない本音が響いた。
お見舞いに来るって連絡がきて風邪ってことも忘れ浮かれて。
相葉さんから連絡がきておかゆを作ってもらえばなんて書いてあったから少し期待して。
実際に来たら乗り気じゃなさそうだったから押してみたら作ってくれて。
それまでは良かった。
問題はそこから。
最初に危なかったのは自分の夕飯を後回しで作ってたって知った時。
色んな感情がこみ上げてきて思わず手が伸びた。
でもその手の行き先を肩とか背中とかにやるのはかろうじて止めた。
ほっぺたつまんで何とか誤魔化した。
でもその後。
気が緩んだのかご飯食べたり、テレビ見たりすっかり寛ぎ始めて。
別に緊張したり怖がってほしいわけじゃないけど。
あまりに危機感がなさすぎる気がして、何だか心配になってきた。
ねえ、大丈夫？
いまAの隣にいるのは、れっきとしたオトコなんだよ。
本気になれば隣の寝室に引っ張っていって、Aを押し倒すぐらいどうってことないんだよ。
だから最後に。
本当に忠告だけのつもりだった。
なのに、引き寄せた身体があまりにも軽くて。
抱きしめた身体が柔らかくて、温かくて。
「……帰らないで」
思わず出たのは嘘偽りない本心。
そのまま成り行きに身を任せなかったのは、
なけなしの自制心が働いたから。
こんな形じゃなく、きちんと思いを伝えてからじゃないとって。
もうすっかり無くなったと思ってた、俺の中のまっさらな部分が、咄嗟に主張し始めた。
おかしくなって何だか笑えてきた。
今時どこの純情野郎よ。
昨今の小学生ですらもっと進んでるわ。
でも。
それが嫌だなんてことは一切なくて。
少しずつ距離を縮めていけるこの状況は気に入ってる。
まあ、だから。
最後に額に口付けたのは、ご愛嬌ってことで。
ゴメンて呟いた声は誰にも聞かれず消えた。
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よっしー - 2度目です。何回読んでもいいですね(*^.^*)本当に更新待ってまーす＼(^o^)／ (2018年4月29日 11時) (
レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆これからも更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月25日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - よっしーさん» コメントありがとうございます！ちょっといま更新が滞っていてすみません…！でも続きが読みたいのお言葉が嬉しくて頑張れそうです。もう少しお待ちください(*^_^*) (2017年7月11日 22時) (レス) id: 9502643afc (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - とっても続きが楽しみです(^o^)更新まっていますね(^_-)ニノの過去がちょっと気になるかな？“もう彼女なんていらないわ”ってセリフ気になる〜。早く続き読みたいです(^o^)/ (2017年7月4日 21時) (レス) id: aab48ffb53 (このIDを非表示/違反報告)
東(プロフ) - あさみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！早々に相葉さんを登場させてしまってすみませんヽ(；▽；)ノこれからも甘い雰囲気を心がけて書いていきますね！ (2017年5月27日 2時) (レス) id: 69438d7547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東 | 作成日時：2017年5月11日 0時
