コネクト2[ARS] (ページ10)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:7,432 hit

(50) ページ10

潤side
案の定仕事をしようとしたAちゃんをベッドに引き留めた。
A『ねぇ潤くん。』
潤『ん？』
A『・・・いや、やっぱり何でもない。』
潤『何でも言ってって言ったじゃん。』
A『・・・潤くんたちは私の子と嫌じゃないの？』
潤『はっ？』
驚きを隠せないでいる俺に更に言葉を続ける。
A『だって、いくらおばあちゃんの孫だからって、どんな人かもわからないんだよ？』
あー、なるほどな。
潤『俺たちだって佐知さんの孫だからってだけでAちゃんのこと見てないよ。
Aちゃんは気づいてないかもしれないけど、何か俺たちに似たものを感じたんだ。』
A『似たもの？』
潤『そ。雅紀が言ってたみたいに俺たちも過去にいろいろあってさ。
だから人を信頼するかはものすごく慎重なの。』
俺の話を黙って聞いている。
潤『特に和は俺たち以外にプライベートを見せたがらないっていうか。
そんな和だけど、Aちゃんにはすごく安心感を感じてた。』
A『そうなの？』
潤『会食会のあと、Aちゃんについて行こうとしただろ？
普段の仕事モードの和は、あんな行動はしないんだよ。』
A『それで私の子と？』
潤『和だけじゃない、俺たちもAちゃんにはなんか引き込まれた。』
A『そっか。』
そう言って、少し瞳を揺らした。
A『私、ほんとにビジューに入っていいのかな。』
潤『いいに決まってるだろ？今更嫌とか言わないよな？』
A『もちろん私は心強いしみんなといたいけど・・・』
Aちゃんの心の奥深くには、不安が渦巻いているような気がする。
俺はその身体を抱きしめなおした。
A『私、誰かにぎゅってしてもらったの久しぶり。
こんなにあったかかったんだね。』
そう言ってから、また俺の服をぎゅっと握る。
A『潤くんたちと出会ってから、弱い自分が隠し切れなくなっちゃった。』
潤『隠さなくていいよ。もう高校生だからとか大人だからとか、うちのグループでは無しにしてるから。
子供みたいに遊ぶことだってあるし、寂しがり屋なんだ、みんな。』
A『潤くんも？』
潤『うーん、まぁ。そうかもな。』
A『ふふっ。』
潤『なんだよ。』
A『安心するなぁって。』
そう言ったAちゃんの身体が一瞬ビクッとなった。