ヴィンセント▼ ページ17
彼の愛人的な。
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欲しいものは何だって与えてあげよう。
綺麗なドレスや高価なネックレスでも何でも。
でも君は永遠に、私の物だ。
彼に買われてからもう何ヶ月？何年？経ったのだろうか。
英国の森の奥深くにはあまり目立たないこじんまりとした屋敷がひっそりと建っていた。
その中に暮らすのは一人の女と、お付のメイド数名だけ。
Aはヴィンセントから許可を得ないと外には出られないため、彼女は此処に来てから外には出たことがない。
彼が残した本を読みふけったり、最近のお気に入りの刺繍をしている。
お付のメイドといっても、Aと話すことは禁じられていて、最低限の会話しかしてはならない。
そして今日も夜がくる。
＊＊＊
「A、今日は遅くなって済まないね。急に別件の仕事が入って大変だったんだ、なんせディーがね…」
彼は毎日ではないが、週に4、5日は夜彼女の元に訪れる。
今日の彼は顔によく疲れが出ていた。
ベッドに腰をかけていたAのすぐ横に座ると、ブルネットのサラサラの髪をかき揚げた。
「今日も此処から出ていないだろうね。」
Aはコクリと頷き、出ていません。と答えた
「良い子だ。」
そういうと彼女の額にキスを落とした。流れるように頬そして唇にも。
「御褒美をあげないとね。何か欲しいものはある？」
彼は優しくAをベッドに押し付けるとネクタイを緩め、同時に彼女の靴を脱がせた。
「…外に出たいです。」
小さい一言は静寂を作った。放った言葉はもう元には戻らない。
黙るヴィンセントにAはごめんなさい。と言った。
「外に出たいのかい？Aには何でも欲しいものは与えてるじゃないか。それなのに一体何が不満なんだ。」
早口で捲し立てるとAは微かに肩を震わせた。
(…怒ってる。)
どうしようと思った矢先、ヴィンセントの大きな手がAの首を這う。
「もう一度聞くよ、外に出たいのかい？」
「い、いいえ…」
勇気をだして彼の深い青色の瞳を見つめながらそう言った。
満足したようにヴィンセントはAの頭をまるで子供をあやす様に撫でる。
「やっぱりそういうAは良い子だね。」
先程とは違う、噛み付くようなキスをして二人は真夜中の深い闇に落ちていった。
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Lolita(ロリィタ)(プロフ) - gn125さん» コメントありがとうございます。シエルの話は結構設定が濃いので作るか迷ったのですが、面白かったと言って貰えて嬉しいです！更新頑張りますね！ (2019年2月25日 7時) (
レス) id: b857b8dd65 (このIDを非表示/違反報告)
gn125 - シエルの話が面白かったし何より、書き方が好きです!更新待ってます! (2019年2月24日 22時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
Lolita(ロリィタ)(プロフ) - 栞羅さん» コメントありがとうございます。初のソーマ夢ですからそう言ってもらえて嬉しいです…！ネタが思い付き次第更新しますね！ (2019年1月18日 18時) (レス) id: dd507df12a (このIDを非表示/違反報告)
栞羅(プロフ) - ソーマのお話大好きです！更新頑張ってください！ (2019年1月17日 0時) (レス) id: 3e8d4c92cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lolita(ロリィタ) | 作成日時：2019年1月4日 22時
