グラタンとお菓子 ページ15
これは、きっと天罰だ。
「とーる、とーる、きょうはかえってくる?」
「帰ってくるよ」
「あのね、きょうね、ごはん、ぐらたんたべたい」
「グラタン?」
「うん! おかあさんがよくつくってくれたの」
「そうなんだ……お母さんみたいに作れるかわからないけど、頑張るね」
「うん! 待ってる!」
最近、彼女はよく家族の話をする。今日はグラタンを作ってくれた話。昨日は一緒にオセロをした話。一昨日は、近くに住んでいた幼馴染と一緒にかけっこをした話。
「いってきます」
「いってらっしゃい!」
笑顔で見送ってくれる。いつも通りのはずなのに、何故か怖く感じる。
「グラタンか……。具は何にしよう」
「グラタンなら、茄子がオススメですよ!」
「わっ」
「安室さん、おはようございます!」
後ろから突然声がした。振り向くとそこにはバイトの先輩がいた。
「おはようございます、梓さん」
「おはようございます! 偶然ですね」
「そうですね」
軽く挨拶を交わし目的地へ一緒に行った。久しぶりに会話をした気がする。最近は公安と組織の仕事しかしてこなかったから。
「グラタンは今日の夜ご飯ですか?」
「えぇ、リクエストをされて」
「彼女ですか?」
「友達です」
「なるほど、女の子のお友達ですね?」
「なぜです?」
「なんとなくです!」
「そうですか……」
いつものほほんとしているのに、たまに勘がいいのは何故だろうか。
「あ、言い忘れてましたが、素揚げした茄子がなおよしです!」
「ありがとうございます」
「いえいえ! あ、開店まで時間ありますし、お菓子買いに行きませんか? マスターと安室さんに是非食べてほしいお菓子があるんです!」
「是非、ご一緒させてください」
癒される。彼女とは違う癒し。梓さんに何度救われたか。食べてほしいお菓子というのはなんだろうか。梓さんが嬉々として話すからきっと美味しいんだろう。今日の仕事が終わったら、買っていこう。きっと、彼女も気に入るから。
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Code(プロフ) - 姫でした…すみません (2018年6月21日 20時) (レス) id: 07dcc038dd (このIDを非表示/違反報告)
Code(プロフ) - 明里香さん» 指摘ありがとうございます!些細なミスで楽しい気分を台無しにしてしまい申し訳ありません。すぐに直します!ミスがないようにしますが、もし誤字脱字等ありましたらまたご指摘してくださると嬉しいです!これからも『囚われの少女』をよろしくお願いします! (2018年6月21日 11時) (レス) id: 07dcc038dd (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「性」ではなく、「姓」です。 (2018年6月21日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
Code(プロフ) - ふるるさん» ありがとうございます!少しずつ更新していくので降谷さんと夢主ちゃんのこれからを見守っていただけたらなと思います! (2018年6月17日 23時) (レス) id: c72d04c443 (このIDを非表示/違反報告)
ふるる - 題名に惹かれてきました!面白くてこれからどうなるかドキドキします!頑張って下さい! (2018年6月17日 8時) (レス) id: c313831c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Code | 作成日時:2018年6月13日 0時