コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ7)

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橘と三井は優輔の病室で移植のことを伝えた。

優輔「お父さん、お母さんごめんね
心臓はいらない。移植は受けない」

橘「どういうことだ？優輔」

三井「理由を教えて」

優輔「言いたくない」

橘「言いたくないじゃないだろう
移植を受けなきゃ、死ぬんだぞ。

理由を言えないなんてあるか！」

三井「あなた」

橘「いいか、移植すればベッドから起き上がれるんだぞ。

お母さんと一緒に外も歩けるんだ、友達とも遊べるんだよ」

三井「優輔お願い、移植を受けて」

優輔「...ごめん...僕は移植を受けない」

優輔の気持ちは固まっていた。

ずっと移植を待ち続けていたはずなのに…

橘や三井もどうしたらいいかわからなかった。

井上「15時までに移植ネットワークに連絡をしなければ、心臓は待機リストの2位の患者の所に行く」

三井「移植後の生活を想像して嫌がってんのかしら」

井上「確かに、移植してからの人生の方が長い
免疫抑制剤の投与やそれに伴うガンのリスク
移植がうまくいっても、普通の子供よりもずっと過酷な人生が待ってる。

でもそれも、生きていてこそだ。
優輔くんは強いし賢い。

ただ、大変だからって理由で両親との別れを選んだりするとは思えない。

後50分ある、優輔くんとしっかり話せ。何としても、移植手術を受けさせるんだ」

『あの。』

三井「！」

橘「倉科」

『ごめんなさい、立ち聞きなんて。

あの…私に時間をもらえませんか？きっとこのままだと優輔くんは誰にも口を割らないと思います。

せめて、理由が分かればいいんですよね？そうすればそれをなんとかすれば移植に踏み切れる。

お願いします。私に優輔くんと話をさせてください。』

とAは頭を下げた。

三井「倉科…」

橘「…」