コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ49)

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♪♪...

ぎこちなくピアノを演奏をしていた奏

奏「...」

藍沢「...」

すると、藍沢がいることに、奏も気がついた。

奏「…！

下手でしょ？でも私絶対弾けるようになる。

前と同じぐらい。ううん、前よりもっと」

藍沢「…」

奏「このまえ、新海先生が私のとこへ来たの。

藍沢先生のホントの気持ち聞いた…。」

奏は藍沢を許したのだった。

奏「それとね、昨日ここでピアノを触ってると、3歳くらいの女の子が迷い込んできたの。

外から私がピアノ触ってるのを見てたみたい

それに気がついた私はその子に声をかけた。」

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～奏の回想～

奏「…？

どうしたの？こんなところで、迷子かな」

？「おねぇさんピアノひけるの？」

奏「…。」

前までの奏だったら弾けると言えただろう。しかし今は弾けないも同然。

？「おねぇさん？」

奏「あ、ごめんね。なんでもないの。あなたお名前は？」

？「あいら。」

奏に声をかけたのは、Aの娘の愛来だった。

奏「私は奏っていうの。愛来ちゃんはどこから来たの？」

愛来「パパに会いに来たの。でも、いま先生とパパお話してるから愛来待ってるの」

奏「そっか。パパここでお仕事してるの？」

愛来「そうだよ。」

すると、愛来の顔が曇る。

奏「愛来ちゃん？」

愛来「愛来ね、ママのおみまいにきたの。」

奏「ママどこか悪いの？」

愛来「ママね、お医者さんなんだけどヘリコプターでね、怪我した人を助けに行くの。」

ヘリコプター…ドクターヘリのことだろう。つまり愛来の母親は救命医なんだろう。

と奏は悟った。

葵「でもね、ママ。怪我したひとを守って今度はママがたくさん怪我しちゃったんだって。

ママまだ寝たままでね…。愛来まってるの、ママが目が起きるのを」

奏「そっか…。」

愛来「ねぇ、おねぇちゃん。ピアノ教えて！！」

奏「え……？」

愛来「おねぇちゃん、ピアノ弾けるんでしょ？愛来にピアノ教えて？」

奏「でも…」

愛来「保育園の先生が言ってたの。ピアノの音は大好きな人を笑顔にすることができるんだよって。

ピアノの音は幸せの音を運んできてくれるんだよって。」

奏「・・！！」

愛来「あいね、ママに聞かせてあげたくてたくさん練習してるんだけど。うまくいかないの」

奏はこの子の必死な気持ちに胸が高鳴った。