コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ44)

今日:51 hit、昨日:2 hit、合計:347,439 hit

42 ページ44

事後から2日経ったとき…

新海は奏のいるリハビリテーションルームに来た

天野「久しぶり、全然来なかったね
避けてたでしょ？私のこと」

奏はあっさりと新海の心を見抜く。これはAも言ってたことだ。

新海「何て言っていいか分からなかった。
でも、やっぱり話をしなきゃと思って」

天野「話？言い訳でしょ？」

奏は容赦なく突っぱねる。

でも、俺は決めた。あの事故の前の日Aに言われたことを思い出す。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁

“ このままだと藍沢は一生奏ちゃんのことを気にして生きていくことになるのよ！？

あなたはそれでもいいの？！”

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁

でも、新海は決めたのだ。もう逃げない、と。

奏「許してもらいたくて来たんでしょ？」

新海「ああ。
あの緊急手術があったから、君は助かった」

天野「何度も聞いた！」

奏は感情的になり、口調がきつくなる。

新海「けれどあの夜、俺が自分のキャリアや功名心を優先したのも本当だ。

けどあいつは違う」

この言葉を聞いた途端、奏の目線が左右に揺れて、新海を見上げた。

新海「あいつは自分のキャリアを失ってでも、
君の命を救おうとした。

後遺症の事を曖昧にしたままオペに挑んだんだ。

訴えられたら負ける...
あいつはそれでも構わないと言った。

もちろん、君がどれほどピアノを愛しているか理解してた。だから苦しんだ...

それで最後に君に嘘をつくことを決めた。」

奏ちゃんには、本当の藍沢の気持ちを知らないままでいてほしくない

そう思い、新海はすべてを話した。

そして…こういった

新海「俺は許さなくていい。

その代わり…藍沢を許してやってくれ」

新海は奏のピアノを弾ける力奪ったという罪を
背負う覚悟を決めたのだ。

奏「…」

奏の手のオセロが黒から白に変わった

この色の変化はまるで奏の心を表してるようだった

こうして奏は藍沢を許したのだった。。