コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ23)

今日:27 hit、昨日:2 hit、合計:347,415 hit

21 ページ23

これは、二次崩落発生の30分前のこと…

___人はよく苦難を長いトンネルに例える

光の指す出口を目指し、暗闇の中を進んでいくさまが人生と似ているからだろう

人はその道を進むために様々な準備をする

ある者は明かりを持ち

ある者は地図を用意し進む

光の先にある答えを求めて

翔「ママ～！...ママ～！！...マ～マ～！」

地下に男の子の鳴き声が響き渡る。

男の子の叫びは、機材の音よりも大きく聞こえた。

-*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*-

A地点☆30代男性意識なし・骨盤骨折☆

藍沢「骨盤骨折だ、救出を待ってるが間に合わない
シーツラッピングした後にパッキングする」

雪村「分かりました」

藍沢「そっち、引っ張ってくれ」

雪村「はい」

C地点 ☆40代男性左下肢不全断裂・血管損傷あり☆

藤川「分かります？...意識なくなった喉頭鏡と挿管チューブ8.0ください」

救急隊員「はい」

同じくC地点 ☆20代女性開放性気胸

『皮下気腫…緊張性気胸？

…いや、胸壁創からの空気の出入りがある。開放性だわ。

胸腔穿刺しないとあと、ドレナージも。

すいません、こっち手貸してもらえます？』

救急隊「はい！！」

少しして…

『よし、あとは胸壁創の縫合だけ。
針と糸ください。』

救急隊「はい、お願いします」

翔「ううっ...」泣

藤川「あそこにいる子この人の子供かな？

この人君のお父さん？」

藤川が聞くと男の子は首を横に振った。

ここに居るのは危険だと感じた藤川は救急隊員の
1人に声をかけた。

藤川「あっ、ちょっ...すいません
あそこにいる子上に連れてってもらえますか？」

救急隊員「あっ、はい」

救急隊員は男の子をだきあげて、去っていく。

翔「ううっ...(泣)」

抱き上げられた際、男の子の帽子が落ちた。
男の子は帽子を拾いたいために救急隊員の背中を叩いていた。

『…よし、呼吸安定した。これなら大丈夫。
このまま上に運んでください。』

救急隊「わかりました。」

Aは開放性気胸の女性の処置を終えると…

？「ひっく…ぐすっ、、」

すぐ近くで4歳ぐらいの女の子がいた。

『大丈夫？…お名前言えるかな？』

「ももか…」

『ももかちゃんか。ももかちゃん、どこか痛いとこあるかな？』

ももか「ひじがいたい。。」

『ちょっと見せてくれる？』

Aは診察を始めた。