コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ3)

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そのころ…小児科

優輔「お母さん」

三井「うん？」

優輔「天国ってある？」

三井「っ...。あるかもね」

優輔「僕は行ける？」

三井「...何言ってんの？」

優輔「疲れた。
ごめんね、お母さん...僕、もう疲れたよ」

そう言ってたことを三井は橘へと伝えた。

橘「大丈夫だよ
今までだって、弱音を吐くことなんてあったろ
お前が聞いてくれて、それで優輔は落ち着くんだ」

三井「疲れたって言ったの。…初めてよね」

橘「...分かってる、もう悠長な事を言ってる時間はない

...もしもし」

橘のPHSが鳴る。

横峯〈横峯です、急患が3人来ます。初療室までお願いできますか？〉

橘「分かった。悪い、また後で来る」

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初療室

冴島「両角孝平さん33歳、骨盤骨折、血圧90の56
過去の事故で胸髄損傷、下肢に麻痺あり
車椅子ラクビーの選手です」

灰谷「移します」

「「「1、2、3！！」」」

灰谷「現場でT-POD装着しました」

藤川「この間のパラリンピックにも出てた人だよ
ハーフタイムのウォーミングアップで車椅子ごと階段から落ちたらしい」

『頭も打ってるかも。頭部CTオーダーして』

横峯「すぐ行けます。トラウマスキャンもオーダーしておきました」

『！…ありがとう』ﾆｺ

藤川「骨盤固定するよ」

雪村「はい」

藤川「！」

冴島(微笑)

橘「立て込んでるな。後来るのは？」

白石「高所転落の患者です。成田中央病院から転院搬送されてきます」

『そっちどう？？』

名取「こっちは胸部の減張切開終わりました、ICUに移します」

藍沢「気道内圧は？」

名取「平均で20まで下がりました」

藍沢「それでいい、尿量に注意しろ」

名取「分かりました」

緋山「福本美代さん62歳、頭部CTは撮ってる。
右前頭葉に脳挫傷あり、左足のデグロービン損傷が酷い。移します」

「「「1、2、3！！」」」

白石「頭より足が先だね、切断は避けたい」

『左膝窩動脈にシャントを入れて、血行再建ね』

緋山「人工血管使いますか？」

橘「対側のサフェナでいいだろう」

緋山「分かりました」

横峯「頭の方はどうしますか？」

藍沢「損傷はびまん性だ、ICPセンサーを入れて様子を見る」

横峯「脳外に応援頼んだ方がいいですね」

藍沢「頼む」

フェローたちは、ずいぶん成長したのがわかるほど
素早く動いて上級医の指示を待たずとも次の行動がわかるようなってきた。