コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ15)

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井上〈辛いのは分かる。
だが、お前まで迷ってどうする。！

約束と時間まで後10分だぞ〉

橘「分かってる...分かってるよ」

でも、優輔は移植は受けないって言うばかりで
橘自身もどうすればいいのか、分からないでいた

エレベーターに乗りずっと考えていた橘は、到着音に気がつくのが遅くなった。

緋山「お疲れ様です
よかったですね、ドナー見つかって」

何も言わない橘に緋山は聞いた。

緋山「どうかしたんですか？」

緋山に全てを打ち明けた橘。すると…

緋山「そんなの真に受けてどうするんですか？

今すぐ移植承諾の連絡をすべきです！！
今回逃したら、またいつ臓器が見つかるか分からないんですよ！？」

橘「分かってるよ！」

声を荒らげてしまった橘。

1度冷静になり、いつもどおりの口調で話す。

橘「そんな事は俺達が1番よく分かってる。

でもな、実際に移植を受けるのは優輔なんだ。
移植後も厳しい治療がずっと続く…。

人の命を貰ったという責任も重い、その上あいつがずっと後悔したまんま生きていくって思うとあまりにも...辛い」

緋山「何言ってるんですか？

親が子供を信じなくてどうするんですか？
私が患者の家族に訴えられたとき、何て言ってくれたか覚えてますか？

患者が怖くてどうしようもなかった私に言ってくれたんです！ "逃げるな、オペをしろ"って。

あの時橘先生は、私以上に私の事を信じてくれました！

優輔くんもいずれ、必ず理解します。
橘先生の気持ちを！！」

緋山の言葉で決意がついた橘は…

橘「井上、移植ネットワークへ連絡してくれ。移植を受ける」

井上〈優輔くんは受け入れたのか？〉

橘「俺がそう決めた」

井上〈分かった〉

緋山の言葉で背中を押された橘は優輔のもとへ向かった。