コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ13)

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／両角孝平病名︰骨盤骨折／

藍沢「14年前の胸髄損傷のときに頭蓋骨も骨折してる。その時の骨折線がSSSを横断してる」

新海「確かに、小さな出血にも見えるな。

だが、これだけでSSSからの出血を疑うのは考えすぎじゃないか？」

藍沢「そうか」

新海「とは言っても、お前はもう俺の言う事信じられないか」

藍沢「そんな事はない」

藍沢のPHSが鳴り響く。

藍沢「どうした？」

藍沢はそれを聞いて新海を連れ駆けつけた。

ICU

雪村「両角さん分かりますか？両角さん！
5分前に突然意識を失いました。
サチュレーションも低下しています。」

新海「瞳孔不同だ、脳出血してるかもしれない。
出血がお前の読み通りなら止血は難しいな」

藍沢「それでも頭を開けるしかない。
挿管してオペ室に運ぼう。

SSS直上の頭蓋骨は残して開頭する。
新海その骨にテンティングしてくれ」

新海「分かった、多めにやる。もし駄目ならパッチグラフトを使う」

オペ室に移動すると、白石がやってきた

白石「脳出血って？
頭蓋骨折だけだったでしょ？ガーゼ」

藍沢「14年前の事故が原因だ。当時保たれていたSSSの癒着が今回の骨盤骨折の衝撃で剥がれた」

白石「えっ？」

新海「当時は幸い損傷部位が自然に塞がってたんです」

白石「でもSSSってことは...」

新海「1度出血すると止めるのは不可能に近い」

すると…

雪村「血圧低下しています」

新海「駄目だ、やっぱり止まらない」

藍沢「前の前半分は諦めよう、モスキート」

雪村「はい」

藍沢「白石、トロラールベイン避けて支えてくれ」

白石「分かった、鑷子」

雪村「はい」

白石「脳が腫れてきた」

藍沢は黙りこむ。

藍沢「...」

新海「...内減圧する、マイクロクーパー」

雪村「はい」

前半分を取り出すが、血圧は上がってこなかった。

心電計は変わらず鳴り響く

心肺停止...

雪村が心電計のスイッチを切った…

両角さんを救うことはできなかった。