コード・ブルー（ Ⅲ ） 9→10［前編］ (ページ12)

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どうやら、藤川は口を滑らせたよう。

しかし、白石はその言葉を聞き逃さなかった。。

白石「どうして？さっき、両角さんの現場診療だってちゃんと出来てたでしょ？」

『灰谷、今朝のフライトで現場に無線連絡できなかったんだって。』

白石「どういうこと？」

藤川「ヘリの事故、今でも自分の無線が引き金になったと思ってる。

ヘッドセット着けて喋ろうとしたらガタガタ震えだした。復帰してもずっと症状はあったらしい」

『…厄介なことになったね。』

白石は全然気がついていなかった。

藤川「PTSDだろうな」

白石「そっか...気付かなかった。
じゃあ、無理に乗せるのはよくないね

ちょっと本人と話してくる」

と白石が灰谷の方へ行こうとしたとき…

藤川「はるかもさ...」

白石「？」

藤川「俺に何かあったらって不安になってる
最近特に色々あったからさ。」

白石「そう…」

『ホントのこと言うと、藤川にフライトドクター辞めてほしいっぽい』

藤川「どこまで本気か分からないけどな。

てか、なんでお前知ってるんだ。」

『あんたに言う前に私が1番に聞いてたっつーの。』

白石「冴島さんは、ここ最近、田沢さんの事や流産の件もあったから...」

藤川「自分はあんな死にそうな目に遭ってるのに、フライトナース続けてるくせにな」

『自分が傷つくよりも大切な人が傷つく方が辛いんだよ...何かあったらって考えたら、不安にもなる

新海もよく言ってる。あいつは普段ヘリに乗らないから余計にね』

藤川「惚気てんじゃねぇわ。」

『はぁ？惚気けてないわ。あんただけやろ？』

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HCUを出て白石は灰谷を呼びだして、詳しく話を聞いてた。

灰谷「精神科に行ってカウセリングも受けてます。自分でも克服したいっていう気持ちはあるんです」

白石「うん、やるべき事はやってると思う」

灰谷「でも、いざ現場とやり取りしようとすると体も口も動かなくなる。このままじゃ...。

また取り返しのつかない事をしてしまうかもしれません。すいません。
ヘリ担当から外してください、お願いします」

頭を下げる灰谷に白石は了承するしかなかった。