（36） ページ37
その頃…医局では…
白石「お疲れ様......悔しいね、暁人くん」
藍沢「移植医療は難しいな...命を救う方法は分かってるのに、臓器がなければその医療を提供する事もできない」
白石「そうだね...助ける方法があるのにね...」
藍沢「ああ」
白石「A泣いてた。。
あの子絶対人前で泣かないのに…。」
藍沢「声かけたのか？」
白石「ううん。何も言えなかった、、」
藍沢「それでいいと思う。」
白石「え？」
藍沢「前に新海から聞いたんだが、あいつはよっぽどのことがないと、泣かないんだと。何にしても。
でも、ほんとに辛くて泣くときはブレーキが効かないから糸が切れたように声を上げて泣くと。
まるで子供が泣き叫ぶように。。」
白石「…そっか。私、初めて見た。泣いてるとこ」
藍沢「発作が出ないように泣かないようにしてたら泣けなくなってしまったって言ってたらしい。
抑え込んで抑え込んで、抱えきれなくなったときは無理にでも泣かせていると言っていた。
その後は必ず発作が起こる。それは避けられない。
だからこそ、新海の前でだけ泣くようにするらしい。
新海本人は、泣き顔は誰にも見せたくないって惚気てたがな。」
白石「ねぇ、藍沢先生はAの過去を知ってるの？」
藍沢「いや。聞かないようにしてる、
新海も話したがらないし、俺も聞かないから。
お前は、知りたいのか？」
白石「わからない。ただ、Aの力になりたくてもなれない自分がいる。」
藍沢「そんなことないんじゃないか。？
これも新海が言ってた話だ。倉科が信頼しているのは冴島の次に白石だと思うと。」
白石「わたし？」
藍沢「あいつは、実は、人に懐かないらしい。人懐っこい自分を作っているだけと。
でも、冴島の他に白石には心を開きつつあると。」
白石「全然気が付かなかった。」
藍沢「あいつは心がきれいな人間にしか心を開かない。嫌いな人間はとことん嫌うやつらしい。
人は見かけによらないものだ。
さ、ずいぶん、話し込んでしまったな。
白石まだいるのか？」
白石「あ、ううん。もう帰る。」
藍沢「そうか。じゃ、おつかれ。」
白石「帰らないの？」
藍沢「やることがあるんだ。じゃあな。」
そう言い、藍沢は医局を出ていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾌﾟﾘｨﾈ | 作成日時：2017年9月26日 20時
