コード・ブルー（ Ⅲ ） 3→4 (ページ33)

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オペ室

緋山「佐倉暁人くん11歳男児、拡張型心筋症による心不全い心筋梗塞を合併してる
肺出血が酷い」

橘「井上、抗疑固剤どうする？？
これ以上血が止まらん」

井上「取りあえず切って構わない
FFPもどんどん入れてくれ、生きてなきゃ血栓もくそもない」

藍沢「ACT測定します」

緋山「おかしい、血圧上がってこない...ノルアド投与して」

白石「分かった」

藤川「血ガスチェックします」

橘「何で上がってこない...
緋山エコーやってくれ」

緋山「分かりました。ヘッドアップ...失礼します」

藍沢「藤川これ頼む」

藤川「分かった」

これ...って

藍沢「心嚢に大量にたまってます」

『..穿刺して抜きましょう、留置用カテーテル』

雪村「はい」

橘「クーパー」

冴島「はい」

『心破裂…(このままじゃ…)』

一同は黙り込む

井上「輸血続けてくれ」

橘「頑張れよ暁人くん、おじさんが助けてやるからな

頑張れよ～、頑張れ、頑張れよ～、頑張れ」

『穿刺部からも出血してきた…(これでもう…暁人くんを救える可能性は…)』

橘「頑張れよ～、頑張れ～、頑張れよ～、頑張れ～」

心臓外科で経験を積んだAでなくても
みんなわかっていた。

でも、橘は手を止めなかった。

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優輔「...」

健太郎母「健ちゃん？
健ちゃん分かる？」

健太郎「コクッ」

健太郎母「よかった...ほんとよかった...」

優輔「...」

-*- -*- -*- -*- -*

橘「...」

緋山「手伝いましょうか？」

橘「あぁ...いや...」

緋山「...」

橘「移植希望登録してから今日でうちは812日目...」

『暁人くんは確か、、635日目でしたね…』

橘「移植ってな順番が回ってくるまで、

だいたい1000日待つんだ。
綱渡りのような1000日なんだよ」

緋山「...」

橘「毎晩、寝る前は明日はちゃんと目が覚めるんだろうかと不安になり、目が覚めれば今日1日血栓や感染症にならずに過ごせるんだろうかと心配になる。

そういう毎日を乗り越えてようやく、順番が回ってくる。

『でもその日、風邪で熱があったら心臓は他の人に回される。』

橘「わずかな体調の崩れで生きるチャンスを失うんだ...だから優輔はこの3年間、ろくに外にも出てないし、友達にも会ってない。

三井がね、ホッとするって言うんだよ。優輔が1人でゲームやってるのを見ると...俺も同じだ、毎日何もない事だけを祈ってる」

緋山「...。」

橘の言葉に緋山は涙を目にためた。