光

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『…、日本の夏って感じ』



成田空港から翔北へ向かうタクシーの中で

窓から見えた夏祭りの文字。


運転手さんに言って祭り会場の近くで降りた。


久しぶりに感じる日本の夏はアメリカの夏とは違い

湿気の感じる蒸し暑さだった。




『あ、カステラあるじゃん。

みんなに買ってあげよう』




そう思ってカステラ屋さんに近づいた時、

大きな悲鳴が響いた。


そちらを見ると山車が横転しかけていて

その近くにいた男の子が巻き込まれそうだった。




『まずい…！』




その子を庇うように思い切り抱きしめると

背中に鈍い衝撃がきた。



『…っ、大丈夫？』


「うん…」


『ここから離れて。

あそこのスーパーの駐車場まで行けるかな？』


「お姉ちゃんは…？」


『お姉ちゃんね、お医者さんなの。

他にも怪我してる人がいないか見てくるから。

ほら、行って』


「うん…！」



泣きそうになりながらも駐車場へ向かう

男の子を見届けてから私は声を上げた。



『翔北救命センターの医師です！

誰か救急に連絡して下さい！』

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