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パーマのかかった髪が揺れる。

心地よい風を感じながら、
藍沢は凛を待っていた。

時刻は午後5時半を過ぎており、
夕日が藍沢を照らしている。


「ねえ、あの人かっこいい」

「待ち合わせかな」


道行く女性がそんな言葉を発するが、
藍沢は何の興味もなかった。

ただ、ぼんやりと空を見つめながら凛を待つ。


「こーさくー」


どこからか名前を呼ぶ声がした。

私服姿の凛が手を振りながら
藍沢に向かって駆けて来ていた。


「ごめんね、待たせちゃったね」

「いや」


よかった、と笑う凛に、藍沢も口元を緩ませた。

凛の笑顔は3日前と変わらないが、
その表情には疲労が現れていた。


「疲れた顔してるな」

「えー、そう?
耕作はちょっとすっきりしてるみたい」


疲労を感じさせないようにと、にこにこする凛。

その笑顔にたまらなくなり、
彼女の頭を藍沢は撫でた。

ん?、と凛が首を傾げる。


「いや、なんでもない」

「えぇ?もーなにー」


すぐにパッと手を離し、
藍沢は凛に背中を向けて歩き出す。

その後ろを、凛が付いていく。

その子どものような姿に、藍沢は小さく笑った。









「どこに行くんだ?」


凛の腕に抱えられた色とりどりの花の束を見て
藍沢は首を傾げた。

食事をしながら話をするかつもりだったが、
その前に寄りたい所があると、
凛は藍沢を引き止め、花屋へと入ったのだ。


「ひみつ」


大事そうに花を抱えた凛は、
悪戯をしようとする子どものように笑う。

藍沢は詮索をやめ、
凛の後を付いていくことにした。





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ri_n(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。失礼致しました!訂正しましたm(_ _)m (2017年10月13日 2時) (レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 設定の[それが凛の生きる意志。]から名前固定されています! (2017年10月11日 23時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ri_n | 作成日時:2017年10月11日 17時

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