コードブルー -sky again- 02 (ページ20)

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こうさく、と凛が呼びかける声を無視し、
華奢な身体に腕を回した。

「……お前のせいじゃない」

藍沢の言葉に、
ぴくり、と腕の中で凛が反応する。

「お前の両親が亡くなったのは、
決して、お前のせいなんかじゃない」

腕に力を込めると、凛が小さく呻く。

「気に病む必要はない。

お前の両親が護り、
救ってくれた命を、大切にすればいい」

「……っ」

湿り気のある吐息が、凛から漏れる。

弱々しく伸ばされた凛の手が、
藍沢の服を掴んだ。

「お前らしく生きろ。
それで充分、両親も喜んでくれる」

「……っ……う……」

ぎゅっと藍沢の服の握りしめた凛の手に力が入る。

嗚咽を漏らし始めた凛を、
藍沢は黙って、ただ、抱きしめた。

「…………ん…」

もぞもぞと身体を動かし、
凛は薄らと目を開けた。

「……あさ……？」

薄く光が差し込み、
ぼんやりと明るくなっている天井を見つめる。

「あれ、私、」

いつの間にベットに、と言おうとして、
凛はぴたりと止まった。

「！？」

隣で、藍沢が寝息を立てていた。

「え、あれ、なんで」

話をして、抱き寄せられて、泣いてしまって。

そこまでは覚えていた凛だったが、
その後どうやってベットに入ったのかも、
何故藍沢が隣で寝ているのかも分からなかった。

藍沢を起こさぬように身を起こし、
きょろきょろと周りを見渡す。

「……耕作の部屋、だよね」

必要最低限の物しかなく、
生活感のない部屋は、自分のものではなかった。

部屋へと巡らせていた視線を、
隣で寝息を立てている藍沢へと落とした。

「……綺麗な顔だなあ……」

寝顔を見ながら、くすくすと笑う。

人を寄せ付けようとしない藍沢は、
端正な顔立ちもあって、近寄り難い雰囲気がある。

しかし、無防備な寝顔には、
その雰囲気がなく、どこかあどけない。

「かわいい」

ふに、と彼のつるりとした頬に触れた。

すると、長い睫毛が揺れ、瞼がゆるりと上がる。

「…………凛」

「おはよう、耕作」

まだ頭がはっきりしていないのか、
どこかぼんやりした表情の藍沢に凛は笑う。

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