近くて、遠い君 01 - 新海 ページ10
▼凛は脳外科の医者。
時間軸はseason３より少し前。
藍沢が救命に戻る前。
新海は目の前で珈琲を口にしている藍沢を見る。
すっきりした目元を縁取る長い睫毛、
通った鼻筋に、愛らしさのある唇。
寡黙だが優しく、患者のことを真っ直ぐに想う姿。
上司からも認められる腕前。
同性の新海から見ても、
彼は、容姿も、医師としても、完璧だった。
「……なんだ、新海」
視線に気づいたのか、藍沢が眉を寄せ、
新海を見た。
「なんでもないよ」
ふ、と笑い、
新海はサンドイッチへと手を伸ばす。
今、脳外科で部長である西条を除き、
新海と藍沢は1,2を争う医者だ。
まさに、ライバルだった。
だがそれは、医師としてだけではなかった。
「イケメン２人でお昼ご飯ですか。
目立つねえ」
トレイを持った女性が２人の傍に立ち、
微笑んだ。
「…凛先生」
新海、藍沢の同僚である、脳外科医の凛。
彼女は藍沢の隣へトレイを置くと、
椅子を引き、座る。
「隣いい？」
「……座ってから聞くことか」
呆れたようなため息を吐き出す藍沢に、
凛は楽しそうに笑う。
新海はそんな凛の様子を見つめる。
「あ、ねえ、藍沢先生」
「なんだ」
「今日、日勤でしょ？
私もなんだ、飲みに行こうよ」
「…………………遠慮する」
「すごい間。からの拒否。傷つくわ」
「そうか」
藍沢は空になった皿の載ったトレイを手にし、
席を立ち上がる。
「え、もう行くの？」
「ああ、じゃあな」
歩いていく藍沢の背中を、
凛は不服そうに見つめ、
彼が見えなくなると机へと突っ伏した。
「あー……またフラれたー……」
「……本当に藍沢のこと、好きなんだな」
「んー？」
机に突っ伏したまま、凛は新海を見上げた。
その子どものような表情と仕草に、
新海はどきりとする。
「……………すき、だよ」
優しげな声で紡がれた言葉。
何度も、何度も、聞いているその言葉に、
新海は胸が痛くなった。
.
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ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
