Sunflower 03 - 藍沢 ページ7
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凛は更衣室へと逃げ込み、
ベンチへと座り込む。
心拍数が跳ね上がり、息が乱れていた。
「……なに、もう………」
身体を包み込んでくれた逞しい腕。
スクラブの上からでは分からなかった、
厚い胸板。
──１人で泣いたりしないでくれ。
優しい声。
藍沢の優しさに、涙が止まらなくなった。
医者である以上、
悲しみや辛さから逃れることは出来ない。
ならばせめて、
仲間といる時は笑っていよう。
仲間の悲しみや辛さを吹き飛ばせるぐらい、
自分は笑い続けていよう。
そう決めて、これまでを過ごしてきた。
誰かに涙を見せたのは、
一体何年ぶりだったのだろうか。
「……ばか」
そっと首筋に触れる。
藍沢の唇が触れた、首筋。
彼が何を思ってそんなことをしたのか、
凛には分からなかった。
何度も離れては触れる彼の唇の感触に、
凛は心臓が破裂するんじゃないかと思うほど、
心拍数が上がっていた。
誰よりも優しいのに不器用で、
ストイックに自分の腕を磨く藍沢。
そんな彼が、凛にとっては特別な存在だった。
他の仲間とは違う感情を、
凛は藍沢に抱いていた。
「……ほんと、ばか……」
こっちの気も知らないで、と凛は息を吐き出した。
「───何してんのこんなとこで」
「う、わあっ」
頭上から声をかけられ、
凛は飛び上がりそうになった。
そこには緋山の姿があった。
「……いや、別に、なにも、」
「あ、そう。
……あんた、首どうしたの」
「えっ！」
パッと首筋を隠すように手を当てる。
「なんか赤くなって───」
緋山の指摘に凛は頬を赤く染めた。
その凛の姿に、緋山は大体の事態を把握する。
「はーん、藍沢ね」
「ちがっ」
「そんなこと興味ないみたいな顔して、
ちゃんとやることやってんだ、あいつも」
「ち、違うのっ」
「別に隠す必要ないと思うけど」
「そうじゃなくてっ」
「付き合ってるんでしょ？」
「ないよ！」
え、と緋山が停止する。
はあはあと息を乱した凛の肩を、緋山は掴む。
「あんた達付き合ってないの？」
「ないよ！」
「……お互い好きオーラ出しといて何してんの」
「出てない、そんなもの！」
「はー……意味わかんないわ」
「私の台詞だよ、それは！」
藍沢のばか、と凛は心の中で叫んだ。
Fin.
▷藍沢先生に抱きしめられたいです←
それが無理なら、未来ちゃんのように頭ぽんぽんを←
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恋奏曲(れんそうきょく) 01 - 新海→←Sunflower 02 - 藍沢
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ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
